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大吉のコミュニケーション力【穴澤賢の犬のはなし】

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大吉のコミュニケーション力

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犬はもともと、同種間でコミュニケーションをとるすべは持っていたはずだ。しかしなぜ違う種である人間と、これほどまでに意志の疎通ができるのか、よくよく考えたら不思議な話だ。たとえば、わが家の大吉も。

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ドッグランにいる犬たちを観察していると、遊びに誘う犬がいたり、それに応じる犬がいたり、あるいはお前とは遊びたくないという犬がいたり、彼らは態度や声である程度コミュニケーションをとっているように見える。

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それはわかるのだが、どちらかというと、犬相手よりも、飼い主とのほうがよりコミュニケーションがしっかりとれているように思える。いっしょに過ごす時間が長いせいかもしれないが、これはよく考えると不思議なことだと思う。中には犬相手だとダメだけど、人ならOKという犬もいたりする。

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しつけができていて、呼べば来る、何らかのコマンドに従う、というのはわかる。ほかにも、なでられて喜ぶ、吠えて不平不満を訴える、食べ物を前に「何日も食べてません」的な顔をして催促するという本能的なことならまだわかる。しかしときに犬は、自ら行動することによって、自分の意志を伝えようとしてくることがある。先日もこんなことがあった。

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ある日の午後、仕事部屋で編集者と電話で話していた。けっこう長電話になり、20分程度は話していただろうか。その間、大福コンビはいつものようにそばでゴロゴロしていたのだが、電話を切るなり大吉が椅子に座っている私のヒザの上に飛び乗ってきた。そして顔をしきりにペロペロ舐めようとする。ふだんそんなことはしないので「おいおい、どうした?」と言うと、ストンと床に降りて玄関のほうを見ては、こちらを振り返る。

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散歩に行きたいのか? と思ったが、時刻は15時前。夕方の散歩にはまだかなり早い。体内時計がしっかりしている大吉には、そんなことはわかっているはずだ。それでも大吉はこちらに向き直り、私の目をまっすぐに見つめながらしっぽをゆさゆさ振っている。明らかにいつもとは様子が違う。そこで「ははーん」と気がついた。もしかして、ガマンできなくなったのか?

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実はその日の朝、大吉はウンチをしなかった。けっこうな時間ねばって歩いてみたが、全然しそうになかったのであきらめて帰ってきたのだ。そんなことはよくあって、そういう日は夕方の散歩で早々にする。それでいいやと思っていたが、どうやら「待ったなし」の状況になっているらしい。

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確信は持てなかったが、たぶんそういうことだろうと思い、少し早いが外に連れて行くと、土のある場所を見つけて盛大にウンチをした。やっぱりそうだったか、と思うと同時に「すごいなお前」と感心した。繰り返し使っている言葉や、オモチャをくわえてきたら「遊んで」の合図という定着したコミュニケーションのレベルを超えている。

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仕事の電話が終わるまで待ち、ふだんとは違う行動をとることで、自分が「もよおしている」ことを必死に伝えようとしたのだ。教えられたことではなく、こうしたイレギュラーな状況でも、自分の頭で考えて、なんとか意志を伝えようとするなんて。もしかしたら、大吉は相当賢い犬なのではないだろうか。なら家のトイレスペースでしたらええやん、というだけの話なのだが。「そこでしてもいい」って、いつも言ってんのに。

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