1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 【獣医師が解説】「成犬期」の犬の特徴と健康管理のポイント

【獣医師が解説】「成犬期」の犬の特徴と健康管理のポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

犬の成長の過程には、大きく (1)成長期(授乳期、離乳期、発育期)、(2)成犬期、(3)老齢期 の3つの期間があります。
犬と一言にいっても、チワワなどの小型犬からセントバーナードなどの超大型犬までさまざまな種類がいます。そのため、犬種によって成長のスピードが異なるので、その犬種における成長のスピードを知っておくことはとても大切です。さらに、それぞれの段階に必要な栄養があり、その段階に合った食事を与えることがとても重要です。
今回のコラムでは、健康に生活していく上で必要な食事や各種予防など、特に「成犬期」における飼い方のポイントを解説します。

子犬から成犬になる時期

体重が成犬期における理想体重の90%に達すると、成長期が終わり、成犬になったと判断されます。成犬になる時期は犬種によって異なるため、小型犬や超大型犬では基準が違ってきます。

■小型犬
チワワなどの小型犬の成長期は8〜10ヵ月までで、それ以降は成犬となります。

■中型犬
柴犬などの中型犬の成長期は10〜12ヵ月までで、それ以降は成犬となります。

■大型犬
ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬の成長期は15〜18ヵ月までで、それ以降は成犬となります。

■超大型犬
セントバーナードなどの超大型犬の成長期は18〜24ヵ月までで、それ以降は成犬となります。

ただし、個体差によって成長のスピードは異なるので、これはあくまでも目安としてお考えください。

成犬期の食事の与え方

成犬期の食事において大切なことは、その犬の最適体重を維持することです。
基本的には、1日2回の食事がよいでしょう。おやつをあげているご家庭では、食事とのバランスを考え、おやつばかりを与えないようにしてください。また、与えすぎによる体重増加に気をつけましょう。

成犬用フードへの切り換えの重要性

成長期が終わると、成犬用のフードに切り換える必要があります。それは、成長期と成犬期では、体が必要とする栄養が異なるからです。
成長期は、骨や筋肉の形成が活発に成される時期のため、健全な発達のためにはタンパク質やカルシウムなどの成分が多く必要です。そのため、成長期用のフードは高カロリーに作られており、タンパク質やミネラルなどの栄養素も多く含まれています。
成犬期になってもこうした高栄養のフードを与え続けていると、カロリーオーバーで太ってしまったり、ミネラルの取り過ぎで腎臓に負担がかかり、最悪の場合、腎不全になることもあります。不要な成分の取り過ぎは、栄養のバランスが崩れるためよくありません。成犬期になったら、成犬期用のフードに切り替えましょう。

成犬用フードへの切り換え時期

フードの切り換えの時期は、成犬期に入ってからで構いません。ただし、急にフードを変えると腸が驚き、下痢や嘔吐などの体調不良を起こす犬もいますので、これまで食してきた成長期用のフードに、新しく成犬期用のフードを少し混ぜて与えるところからスタートしてください。そして、徐々に成犬用フードの混ぜる割合を増やし、移行していくようにしてください。

例) 1日目 成長期用フード9:成犬期用フード1
   2日目 成長期用フード8:成犬期用フード2
   3日目 成長期用フード7:成犬期用フード3

成犬期の健康管理のポイント

食事の与え方に気をつける

毎日の適切な食事が健康管理にとても大切です。成犬期には、成犬用フードを与えましょう。また、フードやおやつの食べ過ぎによる肥満に注意しましょう。

ワクチンを接種する

日本には、犬が感染すると死に至る危険な伝染病があります。これらの病気を予防するには、ワクチン接種がとても有効です。
その子のライフスタイルなどによって、最適なワクチンが異なってくるので、かかりつけの獣医師によく相談してください。定期的なワクチン接種で、病気を未然に防ぎましょう。

フィラリア症を予防する

フィラリア症は、蚊を媒介として感染する病気です。
フィラリアが成虫となり、心臓に大量に寄生すると、血流が妨げられ、様々な障害が生じ、放置すると死に至る非常に怖い病気です。また、感染してしまうと治療には危険が伴うため、感染させないことがとても重要です。
フィラリア症は、予防を確実に行えば防ぐことのできる病気です。

ノミ・ダニを予防する

ノミやダニが感染すると、激しいかゆみだけでなく、ノミアレルギー性皮膚炎や犬バベシア症などの深刻な病気にかかる可能性があります。
また、犬に寄生したノミやダニによって、人間もノミ刺咬症やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの病気に感染する可能性があります。
ノミ・ダニを予防して、愛犬も飼い主も快適な生活を送れるようにしましょう。

健康診断を受ける

犬は調子が悪くても、自分で調子が悪いと口にすることはできません。そのため、飼い主が犬の不調にいち早く気付く必要があります。
しかし、病気が進行しないと症状がでないこともよくあります。そのため、症状が出たときにはもう手遅れになっていることもあります。
病気を早期発見するためにも、1年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。

オーラルケアをする

3歳以上の犬の約8割が、歯周病になっているといわれています。歯周病を放置しておくと、全身の臓器に悪影響を与えることがわかっています。
犬は自分で歯磨きをするわけではないので、日頃から飼い主さんが愛犬のオーラルケアを行うことが大切です。

まとめ

犬にはさまざまな犬種があり、体格の違いなどによって成長のスピードが異なります。どの犬種においても、その子の発育段階に適した飼い方が大切になってきます。
成犬期においては、適切な食事や定期的な各種予防、オーラルケアなどがとても大切になります。また、病気を早期発見できるように、年1回の健康診断を受けるようにしましょう。
愛犬が健康で長生きするためには、飼い主さんのサポートが欠かせないのです。


監修/八木田智洋(獣医師・かんもん動物病院

合わせて読みたい

犬の食事大全 〜基礎知識から市販・手作りフードの留意点まで〜

愛犬の歯みがき~その必要性から、成功のコツ、慣れさせ方、便利グッズについて~

愛犬のノミ対策~ノミがつく原因、対処法、予防や対策について~

獣医が教える愛犬のフィラリア対策~感染源、予防薬の種類、予防のポイントは?~

犬と暮らす

更新

関連するキーワード 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る