繁殖犬として8年間生きてきたサブレくんの「第2の犬生」に迫る

「サブちゃんを迎えたことをきっかけに、保護犬や保護猫を家族に迎えることの楽しさを少しでも多くの人に知ってもらい、幸せになるコたちがたくさん増えてほしいという気持ちが、これまでよりもさらに強くなりました」

こう話すのは、ヨークシャー・テリアのサブレくん（♂・8才）の飼い主さん。サブレくんは、8年もの長い間、繁殖犬として飼育されていたコでした。

繁殖犬を引退して保護団体に保護されたサブレくんは、2019年5月のゴールデンウィークに今の飼い主さんと出会ったのです。

サブレくんとの出会い

2018年12月頃、SNSでとある保護犬カフェの存在を偶然知った飼い主さん。

ヨークシャー・テリアのショコラくん（♂・13才）と猫のシンバくん（♂・15才）と暮らしていた飼い主さんですが、「いつかは保護犬を迎えることができたらいいな」と、漠然と考えながら保護犬カフェのSNSを見ていたのだそう。

そんなある日のことです。先住犬であるショコラくんに似ている「サブロー」というコが、新しく保護犬カフェにやってきたことを知ります。

「このコに会ってみたい！」ーーそう思った飼い主さんは、初めて保護犬カフェに足を運んでみることにしたのです。

保護犬カフェでサブローと呼ばれていたコこそ、のちに飼い主さんご家族のもとにやってくるサブレくん。飼い主さんは、サブレくんと会ったときのことを次のように振り返ってくれました。

「初めて会いに行ったとき、サブちゃんのお誕生日が翌月だと知りました。8才のお誕生日には初めてのお誕生日会を開いて、幸せな思い出を作ってあげたいなと思ったんです」

「その後、何度か会いに行ってショコラとの相性も確認し、3週間後にサブちゃんを我が家に迎え入れることとなりました」

こうしてサブレくんは、飼い主さんご家族のもとで第2の犬生を歩むこととなったのです。

警戒心が強いサブレくんに徐々に変化が…

これまでずっと繁殖犬として生きてきたサブレくん。もしかしたら、外の世界に触れる機会がなかったのかもしれません。

そのせいか、サブレくんには少し警戒心が強い一面もあるようです。

「お散歩では歩けずに抱っこばかりで、人間の言葉にもあまり反応がありませんでした。寝ていても近づくと立ち上がってしまい、何事もされるがままで、ぼーっとしているような感じでした」

そんなサブレくんですが、飼い主さんのおうちで暮らしていくうちに、徐々に変化が見られるようになります。

「『これ食べたい！』『これしたい！』と、サブちゃんはいろんな感情を出してくれるようになりました。そして、見た目がすごく若返っています！」

飼い主さんご家族の愛情をたくさん感じながら、サブレくんは少しずつ自分の感情を表に出せるようになったようです。

程よい距離感で過ごすサブレくんとショコラくん

サブレくんとショコラくん、2匹はいつもくっついていたり毛繕いをしたりするほど大の仲良し！……というわけではなく、一定の距離を保って過ごしているのだそう。

でも、一緒に過ごすうちに2匹の絆は少しずつ深まっていっているようです。

「ショコラはサブちゃんに合わせてお散歩に長く行ったり、サブちゃんのことを待ってあげたりと、お散歩中の2匹はなぜか仲良し！

お散歩やお出かけなど、一歩外に出るとお互いを頼りにしているような、そんな雰囲気が出ています。初めての場所も2匹一緒なら平気ですね」

まだ一緒に過ごしてそんなに長い月日は経っていないけれど、2匹はお互いになくてはならない存在になっているようです。

サブレくんの成長を見るたびに幸せを感じる

サブレくんと過ごすどの瞬間も愛おしく、毎日幸せを感じているという飼い主さん。サブレくんの成長を感じられるときも、嬉しくて幸せだと話します。

「表情が出てきたり顔つきが変わったり、目に見える変化に気づけるときはすごく嬉しいです」

「帰宅時に、ショコラと一緒に控えめながらも全身を使って出迎えてくれるときはもちろん、お散歩で楽しそうに走ったり、クンクンとニオイながら歩いていたり。

ご飯をちゃんと食べられているときや、初めてのものに触れるときのキラキラした表情など……ワンコもそれぞれ性格があるんだなぁと、ひとつひとつの行動で楽しませてくれています」