犬が好き
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夫婦で話し合いを重ねて迎えた野犬 家族になって1年、ビビリだけどお散歩が大好きなコに成長!

いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、デクちゃんとの出会いや今の暮らしなどについて、飼い主さんに2回に分けて(2021年4月/2022年3月に取材)お話を伺いました。
保護犬を迎える決意をしたときに、野犬だったデクちゃんと出会った

ご夫婦には、「もし犬を迎えるなら、飼育放棄されてしまったコや、元野犬で殺処分が決まっているようなコを迎えて、不幸せな環境から犬を救ってあげたい」との共通の思いがあり、保護犬を家族に迎えることを考えていました。
住んでいる地域の保健所以外にも、犬猫を保護している施設を訪ねたりしていたそうですが、そのときに考えさせられる出来事があったといいます。

「施設に来て2年経つコがいましたが、まったく人馴れしておらず、私たちが近づこうとすると怖いものを見る目で逃げました。実家で犬猫を飼育していましたが、飼い犬の世界しか知らずにいたので、2年経っても人馴れしない元野犬のコを目の当たりにし、ショックを受けました」
「迎えたコが人馴れをするまでに2年や3年かかるかもしれないことを想定し、それでも大丈夫かどうか、夫婦で何度も話し合いました。そして、保護犬を迎える決意ができたんです」

そして対面したとき、係留場の隅っこで怯えていたデクちゃん(推定生後半年)の姿を見て、ご夫婦は「このコを迎えよう」と迷いなく決めたのでした。
ビビリだけれど、とても賢いデクちゃん

ご夫婦は「犬は吠えることが当たり前」だと思っていたそうですが、デクちゃんはまったく吠えず、迎えた頃は自己表現ができなかったのだとか。

「自分の寝床で縮こまっていたコが、私たちのソファの上で寝るようになったり、姿が見えなくなると後を追いかけてきたりして、どんどん『犬っぽくなってきたなぁ』と思います。
デクが初めておもちゃに興味を示した日、初めて吠えた日、初めてしっぽを振った日——飼い犬だと当たり前に思えるような行動もデクにとっては特別で、ひとつひとつが大切な思い出です」
デクちゃんを迎えて、笑顔がより一層増えた

「デクと家族になり、犬を第一に考えて生活するようになりました。お散歩に行くために朝早く起きるようになったり、『これを買ってあげたらデクが喜びそうだな〜』とか考えながら買い物するとか。デクを迎えて家族により一層笑顔が増えたと思います」
「デクにとって怖いことはまだまだたくさんあるので、そばで見守りながら一緒に乗り越えていきたいです。最近デクのために車を購入したので、いろんなところに出かけていろんな経験をさせてあげたいです。
野犬時代の暮らしと比べて、『今のほうが幸せ』と思ってもらえるように、夫婦で愛情を注いでいきたいですね」
【デクちゃんのその後に迫る】前回の取材後、どのような日常を送っているのかを聞いた
「改めて成長を振り返り、真っ先に思うことは『お散歩が大好きになったこと』です。1年前は外に出ても1歩も歩けず、ただただ逃走をはかっていました。車や自転車、人の声や設備音など、外の物や音のすべてが怖くて、すぐにお漏らしをしてしまうことも。
そんなデクでしたが、今では『お散歩行く?』と聞くとしっぽをフリフリ。『早く連れて行け』と催促してきます(笑)」
「毎日のお散歩は大変に思うこともありますが、デクの嬉しそうな顔を見ると報われますね」
以前よりも、感情表現が豊かに
「少し飼い犬らしくなったことでしょうか。1年前のデクは、私たちが家からいなくならないとごはんも食べられなかったコでした。それが今では、私たちが帰宅すると玄関を覗き見し、こちらから近づいてなでてやると、しっぽをフリフリしてくれます。
一緒に過ごすうちに、『寂しい』『嬉しい』といった感情が出てきたのかなと思いますね」
「ただ、デクにとっては懐いたというよりは『慣れた』というほうが近いのかなと思います。いまだに、家の中ではほぼ同じ場所から動かず、干渉すると嫌な顔をされます。
私たちが隣の部屋にいるくらいが、彼にとってちょうどいい距離感なんでしょうね(笑) この塩対応とお散歩中の生き生きとした姿とのギャップが、たまらなく愛おしいです」
「ビビリなところもデクちゃんの個性」だと思うように
「ワンちゃんにも個性や今までに育った環境があるので、成長スピードや人馴れの度合いは犬それぞれで当たり前——そのことに気づいてからは、デクのスピードでデクらしく過ごしてくれたらいいなと、私たちも焦ることなく日々を共にするようになりました」
「他の人から見れば愛嬌のないビビリ犬ですが、デクの個性なので、そこもまた愛おしいです。安心して寝ている顔を見ると、幸せな気持ちになります。
まだまだデクにとって怖いことはたくさんあるし、今後家族が増えたりと、生活環境が変わることもあるかと思います。デクと一緒に、家族みんなで乗り越えていけたらいいなぁと思います」
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