犬が恥ずかしそうにしてるけど、「羞恥心」ってあるの?
「犬にも人と同じように羞恥心はあるのでしょうか?」という質問を耳にすることがあります。まず結論から言えば、犬には「羞恥心」のような感情はないと考えられています。しかし、犬がなんとなく「恥ずかしそうな仕草」をしていることはありませんか?実は、この犬がする恥ずかしそうな仕草には、他の重要な意味が隠されている可能性がありました。
トイレをしている時に犬が恥ずかしそうにする理由とは?
たとえば、犬がウンチやオシッコをしている最中に飼い主さんにじっと見つめられると、なんとなく恥ずかしそうな仕草をすることがあります。これを人間と置き換えたら恥ずかしいと感じるのは納得ですが、犬の場合はどういう感情なのでしょうか。
恥ずかしいわけじゃない…本当の理由とは?
犬にとってのウンチやオシッコは、「隙」ができる行為です。そのため、人目に付きやすく落ち着かない場所では、本能的に排泄したがらない傾向にあるのです。つまり、恥ずかしそうに見えるあの仕草は、見られて落ち着かないという気持ちの現れの可能性が高いと言えるでしょう。
ちなみに落ち着かない場所にトイレを設置すると、犬のストレスになることもあります。なるべく人目につかないような場所に置き換えてあげてくださいね。
「罪悪感」を持ち合わせていない?
諸説ありますが、犬の知能を人に例えると、2歳半~3歳児未満程度だと言われています。そのため、犬は「羞恥心」のほかにも、他人の立場になってみないと分かりにくい「罪悪感」や「軽蔑」などの感情も理解できないのだと考えられています。
たとえば、お留守番中に犬がイタズラやそそうをすると、「嫌がらせかな?」と感じる飼い主さんも多くいます。しかし、相手がどう思うかを考えられない犬は飼い主さんに嫌がらせをすることはなく、この問題行動には何か他の理由が隠れているはずなのです。
こんな能力があることがわかってます
一方で、犬が持っていると考えられている2歳半~3歳児未満の能力としては、以下のようなものが挙げられます。
行動の流れを覚える能力
(例)
・飼い主さんがキッチンに行くとフードがもらえる
・飼い主さんがリードを出すと散歩に行く
犬は「時間」という抽象的な概念こそ理解できないものの、飼い主さんの行動を観察して覚えることができると言われています。犬が時間を理解しているように見えるのはこのためでしょう。
2~3単語の組み合わせを理解する能力
(例)
・ボール+トッテ
・コッチ+オイデ
犬は、2~3単語を組み合わせた一連の言葉を理解できると考えられています。ただし、言葉の意味を理解しているというよりは、言葉の「音」として聞き取っているのだと考えられています。
恥ずかしそうな時は、違う意味が隠されているかも
犬には「羞恥心」など、人と似通った感情は持ちあわせていないことがわかりました。排泄時以外に転んだ時やオナラをしたときにも、恥ずかしそうな仕草をするとよく言われますが、これらも羞恥心とは異なった犬なりの感情が隠されているのかもしれません。気になる場合は、獣医師やインストラクターに相談してみるといいかもしれませんね!
出典/ 「いぬのきもち」 2018年4月号『あなたの愛犬はどのくらい賢い?犬の知能に迫る』(監修:しつけスクール「Can!Do!School」代表 西川文二先生・京都大学大学院文学研究科教授 藤田和生先生)
「いぬのきもち」2016年5月号『愛犬のための生活空間の工夫20』(監修:一級建築士 家庭動物住環境研究家 金巻とも子先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。