犬が「クーン」と鳴くのはなぜ？気になる理由と対処法を解説

愛犬が「クーン」と切なげに鳴くとき、何かを訴えているように感じることはありませんか？甘えたいのか、不安なのか、それとも体調が悪いのか。このような鳴き声にはさまざまな意味が隠れています。

今回は犬がクーンと鳴くときの心理やについて、いぬのきもち獣医師相談室の岡本理沙先生に伺いました。

「クーン」と鳴くのはどんなとき？

犬が「クーン」と鳴くのは、感情を伝えるための自然な行動です。特に次のような場面でよく見られます。

①甘えたいとき

飼い主のそばに行きたい、抱っこしてほしい、おやつが欲しいなど、犬が何かをねだるときによくクーンと鳴きます。この鳴き方は、相手の気を引きたいというサインであり、特に子犬や甘えん坊の性格の犬によく見られます。

②不安や寂しさを感じているとき

留守番中や環境が変わったときなど、不安や孤独を感じると犬は「クーン」と鳴いて飼い主を探すことがあります。この場合、犬の表情や体のこわばり、落ち着きのなさなどのしぐさも一緒に確認しましょう。

③体調が悪いときや痛みを感じているとき

明らかな外傷がなくても、体の内側に不調がある場合にも犬は鼻を鳴らすことがあります。食欲の低下、動きたがらない、元気がないなどの症状が同時に見られる場合は、動物病院へのの受診を検討しましょう。

「クーン」鳴きにはどのように対処すべき？

犬が「クーン」と鳴いたとき、無視してよいのか、反応すべきなのか迷う方も多いでしょう。対応のポイントは「状況の見極め」です。

①構ってほしくて鳴いているとき

すぐに応じてしまうと、「鳴けば願いが叶う」と学習してしまうことがあります。過度な甘やかしにならないよう、タイミングをみ見て接してあげることが大切です。落ち着いたタイミングで声をかけたり、なでたりすることで安心感を与えるようにしましょう。

②不安やストレスが原因の場合

犬の生活環境や日常生活に変化がないか振り返ってみてください。刺激が足りない、寝る場所が落ち着かない、留守番の時間が長いなど、生活環境の見直しが必要なケースもあります。愛犬が安心できる場所を作ってあげることで心の安定につながる場合もあります。

③体調が悪そうなとき

鳴き方がいつもと違う、声に力がない、長時間続くといった場合は注意が必要です。特にシニア犬の場合は、認知機能の変化や内臓疾患などが隠れている可能性もあります。早めに動物病院を受診し、専門的な診断を受けましょう。

よくある勘違いと注意点

「かわいそうだから」「鳴いていると不安になるから」と、すぐに反応してしまうことは犬の自立心を育てる上で逆効果になることもあります。クーンと鳴く理由は一つではないため、体調や生活環境など愛犬の様子を観察し、冷静に判断することが大切です。

また、過度に無視しすぎると愛犬がさらに不安になってしまうこともあります。大切なのは、愛犬との信頼関係を保ちつつ、鳴く理由を見極めて適切に対応しましょう。

文／いぬのきもちWeb編集室
監修／いぬ・ねこのきもち獣医師相談室
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
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