愛犬がそっとあなたのひざやお腹の上に乗ってきたことはありませんか?かわいらしい行動 に思わず笑みがこぼれる一方で、なぜこの行動をするのか不思議に思った飼い主さんも多いのではないでしょうか。実際のところ、乗る「場所」によって愛犬の気持ちの意味が違うことがあります。
今回は犬が飼い主さんの体の上に乗る理由について、いぬのきもち獣医師相談室の岡本先生にお話を伺いました。
ひざの上に乗るのは「 安心と甘え」 のサイン
犬が飼い主さんのひざの上に乗る行動は、多くの場合、信頼と甘えの気持ちからくるものです。
①安心できる場所だから
ひざの上は、飼い主さんのにおいや温もりをダイレクトに感じられる場所。犬が緊張しているときや不安を感じているときに、自分を落ち着かせるために乗ってくることがあります。
②甘えたい気持ちがあるから
犬は好きな相手に対して物理的に近づきたくなる性質があります。特に甘えん坊な性格の犬や、抱っこに慣れている犬は、ひざの上が落ち着く場所になっていることが多いです。
③飼い主さんの注目をひきたいから
飼い主さんがテレビを見ているときやスマホを触っているときにひざに乗ってくる場合、かまってほしい気持ちが行動に表れていることもあります。
お腹や胸の上に乗ってくるときの気持ち
飼い主さんが寝転んでいるときに愛犬がお腹や胸の上に乗ってくることもあります。この行動には、より深い信頼関係が反映されています。
①リラックスしたい
飼い主さんの呼吸を感じられる胸の上は、子犬が母犬の心音を聞いていた頃の安心感と重なるようです。とても落ち着ける場所だと感じている可能性があります。
②独占したい
他の家族やペットがいる家庭では、特定の人の上に乗ることで「この人は自分のもの」という気持ちを示している場合もあります。
③眠気や甘えからくる習慣
ウトウトしながら乗ってくる場合は、安心しきっていて眠気も手伝っている状態かもしれません。
顔の近くに乗る・寝るのは強い信頼の証
犬によっては、顔の近くや頭の上にまで乗ってくることもあります。これはかなり大胆な行動に思えるかもしれませんが、実は愛情の深さが表れています。
①顔のにおいで安心したい
犬はにおいで情報を得る動物です。顔は飼い主さんのにおいが濃く残る場所なので、近くで安心感を得ようとしている可能性があります。
②遊びの延長線
テンションが上がっているときや、遊びの最中に顔の上に乗ってくることもあります。その場合は、やや興奮気味の状態なので、静かに落ち着かせてあげることも大切です。
注意すべきポイントと上手な付き合い方
犬が乗ってくる行動はかわいらしく愛情の証でもありますが、飼い主さんの体調や生活リズムによっては困ることもあります。上手に付き合っていくためのポイントを押さえておきましょう。
①ルールを決める
乗ってもよいタイミングや場所をあらかじめ決めておくことで、犬も自然と行動を覚えていきます。都度対応が変わると混乱を招くため、一定のルールを設けましょう。
②静かに降ろす
乗ってほしくないときに叱るのではなく、優しく抱きかかえて降ろすなど、愛犬が不安にならない対応が望ましいです。
③体調の変化にも注意
急に乗らなくなった、逆に頻繁に乗ってくるようになったなどの変化があった場合は、体調やメンタルの異変を疑ってみましょう。
行動を通じて深まる絆
犬が飼い主さんの体の上に乗る行動には、安心・信頼・甘えといった気持ちが込められています。その行動の裏にある心理を理解することで、より深く愛犬とつながることができるでしょう。毎日のふれあいの中で、愛犬のサインを見逃さずに、健やかな関係を築いていきましょう 。
文/いぬのきもちWeb編集室
監修/いぬ・ねこのきもち獣医師相談室
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性がない場合もあります。