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大吉の衰えとケア【穴澤賢の犬のはなし】

先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

大吉は14才だが(8月で15才)、年齢の割には元気な方だと思う。普通に歩けるし、福ちゃんとバトルするし(かかってくる福助の相手をしてやる)、白内障の兆しはないし、半年に1度受けている「血液生化学検査」ではどこにも異常はない。

ふとした瞬間に感じる大吉の老い

ただ、以前はドッグランで美しく駆け回っていたし、ぬいぐるみを差し出すと5分とかからず中綿を引きずり出してズタボロにしていたが、めったに走らなくなったし、おもちゃも引っ張らなくなった。
見た目や毛並みに特に変化は見られないが、少しずつ、確実に、衰えが忍び寄って来ているんだと思う。ひとつ気になるのが、1、2年前くらいからときどき後ろ足がプルプル震えていることだ。
獣医師に相談してみると、特に痛がったり気にしている様子がなければ「シニア犬あるある」だから問題ないとのことだった。それでも気になるから何気なく観察していると、プルプル頻度が増えてきたように思う。震え幅も大きいときがあったり、ごくたまに前足までプルプルしていることがある。
謎なのは、ずっとプルプルしているわけではなく、していないときもあることだ。何がトリガーとなって震えだすのか。
いろいろ調べてみてもよく分からず、やはり老犬になると筋力が低下してくるのが原因の1つらしい。
かといって筋トレなんて頼んでもやってくれないし、日々の散歩も起伏のある道だし、できるのはなるべくイレギュラーなお出かけをするくらいしかない。
今の暮らしで筋力が低下しているとしたら、この先もっと落ちていくだろう。だとしたら自力で立てなくなるのではないか。そんな心配ばかりしてしまう。

老化予防のためにできることは?

そこでCBDオイルが良いと聞けば試してみたり、腰を温めるのがいいと聞けば試してみたりしているが、プルプルが治まったと思ったら、しばらくしてまたプルプルしたりでなかなか完全には治まってくれない。
次に、血行が原因のひとつではないかと思い、後ろ足を中心に全身を優しくマッサージしてみたら、プルプルが止まった。「よし!」と思ったら、しばらくしてまたプルプルし始めた。でも、半日くらいは持つ。なので、朝、夕、夜と10〜15分くらいマッサージしている。
でもよく考えれば、大吉にはずっと元気でいてもらいたいと願っているし、飼い主はみんなそうだと思うが、どこか心の中で、衰えていく大吉を認めたくないという感情もあるんじゃないかと最近気がついた。
犬が老いていくのは仕方ないことだし、それはそれとして認めないといけないんだなと改めて思った。自分に対してはとっくに受け入れているが、大吉に関しては必死に拒否していたように思う。
富士丸』は7才半で急死してしまったから、こんな感覚はなかった。そう考えると、こうして大吉の老いを肌身で感じながら、一緒の時間を過ごしているのはありがたいことなのかもしれないな、と思いながら毎日大吉をマッサージしている。すると福助が必ず「オレも!」とやって来るので大福まとめてマッサージしている。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
『犬のために山へ移住する』(草思社刊)
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