たとえばツンデレタイプや甘えん坊タイプ、クールタイプなど、犬にもそれぞれ性格があります。もしかしたら、それは生まれもったDNAが影響しているかもしれません。現在は犬のDNA解析も進んでいるため、さまざまな犬種のなかでも、その犬種に多いと考えられる遺伝子の要素から、性格の傾向を窺い知るヒントが色々わかってきています。今回は、人を見かけるとしっぽをフリフリ、駆け寄ってすりすり甘えたり……など、「人間大好き♥」な人なつっこい性格が多いと考えられる犬種を5種ご紹介します!もしかしたらあなたの愛犬も当てはまっているかもしれませんよ♪
1.アメリカン・コッカー・スパニエル
まずは「アメコ」の略称で知られるアメリカン・コッカー・スパニエルがランクイン。原型とされるのはイングリッシュ・コッカー・スパニエルで、これが小型化され、家庭向きの犬となったのがアメリカン・コッカー・スパニエルです。アメリカでは「メリー・コッカー(陽気なコッカー)」と別名で呼ばれるほど、外交的で人なつっこい性格の犬種として知られています。
2.キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
続いては「キャバリア」の略称で知られる、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルがランクイン。小型のスパニエル種に、狆などマズルの短い犬が交配された、キング・チャールズ・スパニエルが祖先です。そのなかでも、さらにマズルの短い犬を交配した結果、あどけない顔つきの犬種になりました。ウェーブがかった長毛とたれ耳、ツンと上向きの鼻はどこか上品なたたずまいで、そのルーツはイギリスの国王チャールズ2世に愛されたとも。祖先が公務の付き添いもしていたためが、人が大好きで、しつけがしやすいとも言われています。
3.パピヨン
続いてはパピヨンがランクイン。名前の由来は、耳の飾り毛がはばたく蝶のように見えることから、フランス語で「蝶」の意味をもつ言葉がつけられました。スパニエル系の血を引く、垂れ耳の「ファレーヌ」という犬が先祖と言われています。ファレーヌの突然変異で蝶のような立ち耳が生まれたという説や、立ち耳のスピッツ系の犬が交配されたという説もあります。その優雅な姿からフランスの貴族たちに広く愛され、とくに、王妃マリー・アントワネットからは大変かわいがられたとも。
4.ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
続いてはウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアがランクイン。「ウエスティ」の通称で知られています。ケアーン・テリアに似たこげ茶色のテリアのなかから、白っぽい犬だけを交配して生まれました。これは、キツネ猟をするときに、キツネと見間違わないようにするためだったと考えられています。人なつっこい性格以外にも、活動的で独立心が強くマイペースな性格としても知られているようです。
5.ビーグル
最後は、ローマ時代からウサギ狩りの相棒として活躍してきたビーグルがランクイン。集団をつくって獲物のニオイを追いかけるなど、すぐれた嗅覚を使って猟を行ってきたため、気になるニオイを追わずにいられない習性をもっているとも言われています。体力があって声も野太く大きい犬種ですが、運動や遊びなどでパワー発散が上手にできれば、いつも陽気で人なつっこく、ハッピーにつきあえる犬種です。
いかがでしたか?ご紹介した5つの犬種は、実はみんな「猟犬」のルーツを色濃く受け継いでいる犬たちなんです!このルーツをもつ犬たちは、元気いっぱいで人なつっこい特徴があると言われていますが、これは、人との共同作業を行うことが多かったため、人の指示を聞き、ほめられたいと思う気持ちが強いせいかもしれません。犬の性格は犬それぞれなので、当てはまらない場合もあるとは思いますが、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
参考/「いぬのきもち」2016年1月号「いぬのきもち版犬種ツリーから知る愛犬のルーツ」(監修:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室准教授 武内ゆかり先生、相模大野プリモ動物病院院長 玉原智史先生)、「いぬのきもち」2015年7月号・2017年2月号~4月号「犬種連載」(監修:代官山動物病院獣医師 藤井仁美先生)
文/影山エマ