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犬の毛色や体格ってどう決まるの? 犬の遺伝のフシギに迫る!
不思議な犬の遺伝について、素朴な疑問を解決しちゃいましょう。
親の毛色は白同士なのに、黒い毛色の子犬が生まれるのはなぜ?
みなさんは、白い毛色の犬同士の子犬は、白い毛になると思っていませんか?
実は必ずしも、白い犬同士からは白しか生まれないとは言いきれません。これまでの研究過程で、犬の毛色を決める遺伝子は10種類異常も報告されていて、白い犬でも遺伝子のなかには黒い毛色になりうる要素をもっていることがわかっているからです。
そのため、親犬が白い毛色同士でも、父犬がもっている黒い毛色の遺伝子と、母犬がもつ同様の遺伝子が結びつけば、両親とは異なる色の子犬が生まれることもあります。
どうやって大きな犬を「小型化」していったの?
プードルを例に考えてみましょう。体長が45〜60センチのスタンダード・プードルから、25センチ前後のトイ・プードルまで、いろいろな大きさのプードルがいますよね。どうやって体の小さい犬種を作ってきたかわかりますか?
現在のように遺伝子の研究が進むずっと以前は、同じ犬種のなかでも体の小さい犬同士を交配し、それを繰り返すことで小型化していたと考えられます。現在も基本的にはこの方法で小型犬種が生み出されています。
しかし近年、犬の体の大きさを決める遺伝子の一部が見つかってきています。まだ実現はしていませんが、将来的にはその遺伝子型を調べながら交配を行うことも可能になっていくかもしれません。
ミックスは丈夫な犬が生まれると聞くけど、どうして?
ミックスは病気になりにくい!という話を聞いたことはありませんか?
雑種強勢(同じ生き物の別種を交配すると、両親よりすぐれた子が生まれるという法則)という言葉があり、純血同士よりも遺伝子の病気にかかりにくい子犬が生まれるといわれています。
ただし、論文的な報告がはっきりとあるわけではなく、逸話的に知られているレベル。まれに体型に問題が生じたりすることもあるため、親犬のよいところを引き継ぐかどうかは、生まれた子犬次第といえそうです。
犬の遺伝は奥深い
思いがけない発見が、犬に関する新説として登場するかもしれませんね。
参考/「いぬのきもち」2017年1月号『犬種ツリーから知る愛犬のルーツ』(監修:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医動物行動学研究室准教授 武内ゆかり先生、相模大野プリモ動物病院院長 玉原智史先生)
イラスト/おおたきょうこ
文/\(m.h)/
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