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事故で亡くなるワンちゃんを減らしたいーー愛犬の死から、「愛犬を守るリード開発」へ

お散歩中に愛犬と飼い主さんをつなぐリード。それは愛犬の命を守るために、決して離れたり切れたりしてはいけないもの。

首輪やリードは愛犬のために大事なものではあるけれど、いざ選ぶとなると、どんなものがいいのか悩んでしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そして、十分に気をつけていても、「まさか」の事態は起きてしまうものです。

「夜の散歩中に首輪が抜けて道路に出てしまい、かん太が事故に遭ってしまいました。それまでも首輪が抜けたり、リードを落としてしまった経験があり、リードや首輪に工夫をしてきたけれど守りきれなくて……」


こう語るのは、犬雑貨のお店「RUMKA(ルンカ)」を運営する戸田さつきさん。戸田さんは、大切な愛犬・かん太くんを事故で亡くしたのでした。

愛犬・かん太くんの死でペットロスに でも、このままではいけない

かん太くん
以前から首輪やリードの問題点に気づき、抜けない工夫もしてきたけれど、かん太くんが事故に遭ってしまったーー戸田さんは、「悔しさと申し訳なさで、ペットロスに陥りました」と振り返ります。

戸田さんにはもう1匹の愛犬・めいちゃんがいるのですが、かん太くんの事故がトラウマとなり、散歩に恐怖心を抱くように。

でも、めいちゃんをお散歩につれて行きたいーーそんなときに思いついたのが、安全なリードを自分の手でつくることでした。

「愛犬と同じように、交通事故で亡くなるワンちゃんを減らしたい」


そんな思いから、戸田さんは自ら「愛犬を守るリード」の開発を決意します。

リードを2カ所で繋ぐ「さくらんぼスタイル」

かん太ちゃんのつらい事故から「安全なリードとはどんなものか」を考え抜いた末、戸田さんが考案したのは「さくらんぼスタイル」のリードでした。

さくらんぼスタイルのリード
@rumka313
これは、リードを「首輪と胴輪(ハーネス)の両方につなぐ」つくりになっています。その姿が、まるで「さくらんぼの枝」のようだったのが名前の由来に。

見つめるコーギー
@rumka313
このようにリードを首輪と胴輪の2カ所につなぐことで、たとえ首輪が外れてしまっても、胴輪をつけているのでそちらが外れなければ、犬が逃げ出すことはない構造になっているのです。

また、事故の原因のひとつに「金具の劣化」が挙げられることから、戸田さんは素材選びにも力を入れます。

前を向くミニチュア・ピンシャー
@rumka313
首輪・胴輪にはそれぞれ「相性のよい金具」があるのだそうですが、一般的に市販されている既存のリードの金具は、首輪との相性が悪い金具が使われているのだそう。これが、お散歩中に首輪からリードが外れる原因のひとつだといいます。

そうした既存の首輪やリードのあらゆる問題点を探し、獣医師や訓練士、ブリーダーなど犬の各ジャンルの専門家に相談しながら、戸田さんはついに強度抜群のさくらんぼスタイルのリードを完成させたのでした。

さくらんぼスタイルのリードは、どんな犬におすすめ?

さくらんぼスタイルのリード
@rumka313
さくらぼスタイルのリードは、どんなワンちゃんにも使えますが、とくに「しつけ途中で散歩の訓練をしているコ、引っ張り癖が強いコや、首が細くて首輪やハーネスが抜けてしまうコに使ってほしい」と、戸田さん。

実際に、保護犬を預かっている人や里親さんからの注文が多いのだそうです。

さくらんぼスタイルのリードは、用途に応じてアレンジも可能! 

見上げる犬
@rumka313
さくらんぼスタイルのリードは、「肩掛け」や「ウェストスタイル」にアレンジが可能で、両手があくことも飼い主さんには嬉しい点。うっかりリードを落としてしまう事故も防げます。

RUMKA公式サイト
RUMKA公式サイトよりスクリーンショット
用途に応じて、さまざまな使い方ができるのも魅力的。

さくらんぼスタイルのリード
@rumka313
このように肩掛けにしてみると、両手がふさがってしまうようなシチュエーションでも、問題なく使うことができます。ワンちゃん同伴のショッピングや旅行にも重宝されそう!

さくらんぼスタイルのリード
@rumka313
そのほか、車のシートにかけたり、カフェで飼い主さんが座ってお茶を飲んでいるとき、太ももにリードを巻いてみたりもできます。

さくらんぼリードを使う飼い主さんへ、伝えたいこと

ミシンも持っていない、裁縫も初心者だった戸田さんが、理想とする安全なリードを完成させるのには、とても長い道のりでした。苦労したことも多かったといいます。

それでも戸田さんが諦めなかったのは、「犬を守るためのリードを作りたい」という思い、ただひとつ。

散歩するミニチュア・ピンシャー
@rumka313
戸田さんは、さくらんぼスタイルのリードを自身が運営する「RUMKA(ルンカ)」で販売していますが、飼い主さんが購入する前に「ある確認」をしているそう。

「私は『犬を守る』ためにリードを作りました。でも、リードだけでは犬を守れません。大切なのは、飼い主さんの意識や使い方。

RUMKAでは、放し飼い(ノーリード)にしない、日常点検をする、ワンちゃん係留したまま放置しないなどお約束をいただいてから、販売しています。

『心のリード』を確認してお渡しすることで、さらにワンちゃんたちを守っていけたらと思っています」


飼い主さんの悩みに寄り添い、新しいリードの開発も

光るリード
@rumka313
戸田さんの開発は、まだ終わりません。2017年には、「夜の散歩に使いたい」という飼い主さんのリクエストに応えて、反射材メーカー・ユニチカスパークライト株式会社の協力を得て、反射材リード「ひかるリード」の開発に成功します。


「現在は、反射材を使ったアイロンプリントやキーホルダーなどの開発にも取り組んでいます」と、リード開発だけにとどまりません。

見つめるミニチュア・ピンシャー
@rumka313
愛犬とのお散歩や日々の暮らしに悩みを持っている飼い主さんは多いと思います。戸田さんはそんな方たちの悩みに耳を傾け、力になりたいと商品開発に携わっています。

さくらんぼスタイルのリードをはじめとする戸田さんの思いが詰まった商品の数々は、ぜひ公式サイトをご覧ください。

いまのあなたの悩みに応えるものが、見つかるかもしれません。

愛する家族との別れを、悲しい思い出だけにしないために

また、戸田さんは自身もペットロスになった経験から「ペットロスになってしまう人の助けになりたい」と、『天国からの贈りモノ』いう冊子の手渡しシェアを企画しているそう。

天国からの贈りモノ
「この冊子を手に取り、共感した方が犬を飼ってる方に手渡しして、ペットロスについて話し合うキッカケになってもらえたらと思ってます。

最初はルンカのサイトから何人かにお渡し(発送)して、そこから自然に会話が生まれるように、手渡しでシェアしてもらえたらって思うんです」


いつか訪れる愛犬との別れ。冊子『天国からの贈りモノ』には、飼い主さんが前向きになれるような、優しいメッセージが込められています。ぜひ、手に取ってみてください。

参照/Instagram(@rumka313
RUMKA公式サイト
http://www.rumka.net/
取材・文/凜香
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