本格的に暑くなる前の時季は、犬連れで野外へレジャーに出かける人も多いでしょう。しかし、自然の中にはときに愛犬の命や健康を脅かすキケンな生物も暮らしています。どんな場面でどんな生物に注意したらいいかを、危険生物に詳しい西海太介先生と獣医師の原 修一先生に聞きました。
いま本当にマダニが危ない!
マダニはさまざまな病気を媒介しますが、なかでも人も罹患するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の危険性が指摘されています。これまでは西日本での発生が主でしたが、近年関東でも感染した犬が確認されました。愛犬がマダニ被害にあわないよう、定期的なノミ・マダニ駆除薬の使用で予防を。万が一、愛犬の体にマダニがかみついていたら、動物病院で取ってもらうのがベスト。無理に取ろうとするとマダニの体の一部が皮膚に残ったり、誤ってマダニをつぶして体液に触れたりする危険があります。
イラスト/きじまももこ
スズメバチは命にかかわるアナフィラキシー症状が出ることも
イラスト/きじまももこ
日本にスズメバチの仲間は17種類いますが、いずれも刺されると危険。巣が近いと複数のスズメバチに襲われる可能性も。また犬によっては体内に入ったハチの毒がアレルゲンになり、呼吸困難や意識消失などのアナフィラキシー症状を起こす危険が。刺されてから数時間して症状が出ることもあります。
■危険から守るために
・ハチを見かけたらその場を静かに離れる
・登山道や公園の通路からはずれて歩かない
・巣の近くでは騒いだりウロウロしたりしない
・巣の近くで香水や柔軟剤、お酒のニオイを漂わせない
■もし刺されたら
刺された患部がわかる場合は、そこをつまみながら水洗いを。吸収される毒の量を減らすことが期待できます。その後はアナフィラキシー症状があらわれるかもしれないので、すみやかに受診を。
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■遭遇スポットは
・山や公園など木々が生えている場所やその地面
・民家の軒下や庭木、生垣
ムカデに噛まれると、重篤なアナフィラキシー症状を引き起こすことも
イラスト/きじまももこ
自然豊かな場所でほかの土壌生物や昆虫を捕食する夜行性のムカデ。犬が近づくと大きなあごでかまれることが。あごからは毒が出て、痛みや腫れといった症状につながります。犬によっては呼吸困難などのアナフィラキシー症状が出る危険もあるため、アレルギーの持病がある犬がかまれたらすぐに受診しましょう。
■危険から守るために
・夜間に落ち葉が堆積しているような場所を歩かせない
・ムカデを見かけても、ニオイをかがせたりしない
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野外へ遊びに行くときは、お出かけ先の危険生物の状況を下調べし、虫よけ剤なども使用しましょう。万が一に備えて、お出かけ先に近い動物病院をいくつか調べておくと安心です。
お話を伺った先生/上野原どうぶつ病院院長・原 修一先生。一般社団法人セルズ環境教育デザイン研究所代表理事所長、玉川大学農学部非常勤講師・西海太介先生
参考/「いぬのきもち」2026年5月号『キケンな野生生物』
イラスト/きじまももこ
文/いぬのきもち編集室