指示しつけのひとつである「マッテ」を覚えさせることは、いざというときに愛犬の命を守るためにも重要です。そこで今回は、“失敗しない”マッテのやり方や、マッテでつまずきやすいポイントとその解決策について、獣医師の藤本聖香先生に教えていただきます。
マッテのやり方(1)犬が落ち着いている状況でオスワリさせる
ゴハン前や散歩前など犬が興奮しやすい時間帯は避けつつ、いつも過ごしている部屋の中や静かな場所など、愛犬が落ち着いている状態でオスワリをさせます。
“失敗しない”コツ(1)静かな場所から初めて徐々にレベルアップしよう
まずは静かな部屋の中など、愛犬が集中しやすい場所で「完璧」にオスワリできるよう練習し、徐々に集中しづらい場所で練習してステップアップしていきましょう。
マッテのやり方(2)「マッテ」と一度だけ言って離れる
愛犬がオスワリしたら「マッテ」と一度だけ言い、愛犬に背を向けて3歩分離れます。うまくいかない場合は、1~2歩分離れるなど調整しましょう。
“失敗しない”コツ(2)「マッテ」と連呼するのはNG
何度も「マッテ」と言うと、指示が伝わりづらくなるうえに愛犬の興奮をあおりやすくなります。一度ではっきりと指示しましょう。
また、目の前に手を突き出すポーズは、犬にとって「制止」のシグナルとして理解しやすいものです。目線をそらすと動きそうな場合は、このハンドシグナルを活用するのも手です。
マッテのやり方(3)愛犬のもとに戻りマッテを解除してほめる
愛犬がオスワリのままでいられたら、愛犬のもとに戻って「オッケー」の指示でマッテを解除します。その後、「イイコ」とほめてからおやつを与えましょう。
“失敗しない”コツ(3)ほめるまでは目線をあえてはずす
飼い主さんと目が合っているだけでうれしくなり、飼い主さんに見られていること自体をごほうびと感じて動く犬もいます。愛犬のもとに戻ってほめるまでの間は、目を合わせないでいるのも“失敗しない”コツです。
マッテでつまずきやすいポイントと解決策
では、マッテを教える際につまずきやすいポイントと、その解決法を見ていきましょう。
マッテ中に愛犬が動く→最初の位置に無言で戻る
「マッテ」の指示をしたにもかかわらず愛犬が動いてしまう場合は、無表情かつ無言の状態のまま、離れた場所から元の位置に戻りましょう。愛犬が落ち着きを取り戻したら、再びオスワリさせてください。
数秒しかマッテができない/興奮しているとできない→できるまでごほうびを与えない
参考・写真/「いぬのきもち」2026年5月号『「だいたいできる」じゃ愛犬を守れないから マッテとオイデは極めたほうがいい!』
マッテができていないのに、途中で飼い主さんがあきらめたり、根負けしておやつを与えたりすると、「マッテ」=「無視してもよい指示」と覚えさせてしまいます。飼い主さんが定めた時間のぶん、マッテをやり遂げられるまでは、ごほうびは見えないよう隠しておき、絶対に与えないでください。
そのコなりの許容範囲を見極めるのも成功のコツ
マッテさせ続ける時間が長すぎると、失敗しやすくなります。いざというときに愛犬の安全を守るうえで必要な秒数と、今の愛犬にできる範囲を見極めて、許容範囲を定めるとよいでしょう。
外に出るとマッテできない→成功しやすい場所で練習を繰り返す
参考・写真/「いぬのきもち」2026年5月号『「だいたいできる」じゃ愛犬を守れないから マッテとオイデは極めたほうがいい!』
外は愛犬にとって刺激になるものが多く、集中が乱されやすい環境です。初めは玄関を出てすぐなど、愛犬が落ち着けやすい場所から練習し、その場所での「完璧」を極めてから次の場所へ進むことを繰り返しましょう。
「外でしかもらえないスペシャルおやつ」を使い分けるのも一案
家の中では絶対に与えない、特別なおやつを外用に使いわけるのも手。肉系やチーズなど、外でもニオイが強く感じられるものを選ぶのがおすすめです。
愛犬が集中しやすい環境繰り返し練習して徐々にレベルアップすることと、愛犬がマッテできる許容範囲を見極めることが、マッテを成功させるコツのようです。愛犬がうまくマッテできず悩んでいる飼い主さんは、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT 認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考・写真/「いぬのきもち」2026年5月号『「だいたいできる」じゃ愛犬を守れないから マッテとオイデは極めたほうがいい!』
文/宮下早希
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性がない場合もあります。