犬の体調不良や病気の原因にもなるストレス。「子犬期」「成長期」「シニア期」の年代によっても感じやすいストレスが異なるため、愛犬の年齢に合わせた配慮をしてあげることが大切です。ここでは、子犬期に感じやすいストレスやその対処法について解説します。
子犬期に感じやすいストレスってどんなコト?
子犬は生後2ヶ月ほどで母犬や兄弟犬から急に引き離され、まったく別の環境にやってきます。これは子犬にとって大きなストレスのひとつといえるでしょう。また、その新しい家に小さな子供などがいて、力の加減をせずにかまいすぎたりすれば、子犬はたちまち疲れてしまいます。
ほかにも、生後数か月のうちに長時間の留守番をさせたり、かまわなすぎたりすることも子犬にとってはストレスとなります。
子犬期にストレスからかかりやすい病気
子犬がストレスを感じると以下のような病気にかかる可能性があります。
胃炎(嘔吐)
急にストレスを感じたりすると自律神経が乱れ、胃の動きをコントロールできなくなります。胃炎になると食欲がなくなったり、嘔吐したり、胃酸過多となって黄色い液体を吐いたりすることもあります。
腸炎(下痢)
ストレスを感じると腸内の細菌バランスが乱れ、悪玉菌が増えて下痢になります。重症の場合は、水っぽい血便になることもあります。ウンチの回数が増えたり、粗相が増えたりするときは腸炎の可能性があるので要注意です。
常同症
精神的に不安定な状態が続くことでかかる心の病です。自分のしっぽを噛み続けたり、追い続けたり、足先をなめ続けたりと一定の行動を執拗に行います。ひどくなると自分の体を傷つけてしまうこともあります。
子犬期にストレスを感じさせない工夫
このような病気にかからないためにも、飼い主さんは子犬のストレスを緩和してあげることが大切です。では、どのようにすればいいのでしょうか。
見守りつつ、かまいすぎない
いくら可愛いからといって、ベタベタ触ってかまいすぎたり、逆にかまわなすぎたりするのもよくありません。しっかりと見守りつつ、自由に遊ばせ、必要があれば手を貸しましょう。人の赤ちゃんと接するのと同じように考えるとわかりやすいですね。
自分だけの落ち着ける場所をつくってあげよう
部屋の隅の物陰やハウスなど、愛犬がいつでも好きな時に自分だけになれる居場所をつくってあげましょう。遊びたくなったらまた自分から出てくるので、愛犬がその場所に行ったらそっとしてあげるのがポイントです。自由に行き来できる場所があることが重要なのです。
しつけはほどほどにしよう
子犬にとって長時間のしつけのトレーニングは、大きなストレスになります。「しつけ本の通りにやらなければ!」と頑張りすぎず、生後6ヶ月ぐらいまでは、愛犬が飽きる前にやめる程度にとどめておきましょう。
このほかにも、子犬だからと過保護にしすぎるのはよくありません。部屋の温度は1年を通して常に一定に保つ、外出時はいつも抱っこなど過保護に育てると、自然の気温の変化に対応できなくなったり、経験不足によってストレスを感じやすい犬になったりしてしまうことがあります。
犬は言葉でストレスを訴えることができません。愛犬が健康で幸せに暮らせるように、飼い主さんが犬のきもちを理解する努力をしてあげましょう。
参考/「いぬのきもち」特別編集『ベテラン飼い主さんも意外としらない愛犬のストレス事典』(監修:若山動物病院 院長 若山正之先生)
文/Richa
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。