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ワンコに「理性」はあるのか【穴澤賢の犬のはなし】

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【穴澤賢の犬のはなし】

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生物の脳は歴史の中でどんどん進化を遂げてきたという。脳の中で最も発達したのが大脳新皮質という部分で、これがいわゆる「理性」をつかさどっていて、ヒトとその他の動物と大きく違うところらしい。では、犬には理性はないのだろうか。

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先日行ってきた「いぬねこなかまフェス2015」で、動物行動学の水越美奈さんが興味深い話を聞かせてくれた。人間と犬や猫の脳では、感情をつかさどる大脳辺縁系にはあまり違いがないらしい。だから犬や猫も、嬉しい、悲しい、怖い、さびしい、楽しい、といった感情は、人間とほとんど変わらない。

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違うのは、人間だと嬉しくてはしゃぎたくても、けどその場の雰囲気でガマンすることができるが、犬はそれができないから感情をストレートに表現してしまう。それは人間は大脳新皮質が発達しているからである、という話だった。なるほどそうなのか、と納得すると同時に「ん? ちょっと待てよ」と思う部分もあった。

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たしかに犬は感情をストレートに表現する。そこがまたかわいらしいのだが、たしかに幼い犬などは嬉しかったら飛び跳ねたり、さびしいとキュンキュン鳴いたりする。が、成長するにつれ、常に直球ストレートではなくなってくる。いくら遊んでほしくても、今はどうもそんな暇はないらしい、とわかると諦めたり、幼いころは嬉しいとなり振り構わずドーンと飛びついてきていたのが、年齢を重ねていくと何も教えていないのに、喜び方にも節度が生まれてくる。

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ワンコと暮らしたことがある人はわかると思うが、犬はへたな人間よりも空気を読むのだ。大人の犬は自分の要求だけを主張するようなことはなく、どちらかというと人間を気遣うそぶりすら見せる。時には本音とは違う変化球を投げてくることもある(本当はかまってほしいのに、平気ですけどみたいな顔をしたり)。だから、水越さんの「犬は感情をコントロールすることが苦手」という説は、一般論としてはそうなのかもしれないが、経験上は違うと思う。人間ほどではないにしても、理性のようなものは持ち合わせている。

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現にまだ幼い福助はそうでもないが、4才になる大吉は、常に感情をストレートに表現するようなことはない。きちんと自分を抑えることができるのだ。日中、私が仕事をしているときは、おとなしく寝ているし、無理な要求をしてくるようなこともない。甘噛みもするし、犬同士で遊んでいるときもきちんと手を抜いている。人間に比べて大脳新皮質があまり発達してない犬に、なぜ感情がコントロールできるのか。

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少し前に某科学雑誌で読んで驚いたのだが、実は脳についてはわかっていないことだらけだという。だから巷でいわれている脳にまつわる話には、憶測の域から出ていない、はっきりとした根拠がないものも多いらしい(右脳派、左脳派などもそのひとつ)。であるならば、理性をつかさどっているのは大脳新皮質だけではないかもしれない。いったい、犬はどこで理性をつかさどり、感情をコントロールしているのだろうか。謎なやつらだ。

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