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たった一度の過ち?【穴澤賢の犬のはなし】

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たった一度の過ち?

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大吉も福助も、低いテーブルで人間が食事をしていても決してそれを食べようとはしない。だが、一度だけ……。

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少し前に友人から相談されたことがある。そこの家の犬は、隙あらば人間の食事を食べようとするのだという。それはいくら注意しても治らないそうだ。大吉と福助はなぜ食べようとしないのか、どうやったらそうなるのか…そう聞かれても、実はわからない。

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大吉も福助も、子犬時代はたしかにテーブルに登ったりしたが、食べ物を狙ってというよりは、ただ単にそこに登るという感じだった。福助にいたっては、テーブルに飛び乗ったり、飛び越えたりしていた。

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そんなときにどうしたかというと、怒るのではなく、どちらかといえば「ちょっと何やってんの? そんなところに登っていいと思ってんの?」と声に出して、非難の眼差しを向けることだった。そのうち「なんだかいけないことみたい」とわかったらしく、テーブルに登ったり、そこにある食材を狙ったりはしなくなった。

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富士丸もそうだったし、大吉と福助も、犬に与えてもよい食材を、たまに味のついていないところをおすそ分けしてあげたりすると(私もゆるい飼い主なので)、喜んで食べるし、「もっとくれないかなぁ」という顔はするが、目を放しても、席を外しても、勝手に食べるということはない。今さっき食べて、美味しかったものが目の前にあるのに、よく自制できるなぁと逆に感心するくらいだ。

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そんな大吉だが、たった一度だけ「過ち」を犯したことがある。あれはまだ福助が来る前、大吉が2才くらいの頃だったと思う。友人宅でのクリスマスパーティに呼ばれて一緒に遊びに行ったときのこと。料理上手な奥さんが、あれこれ出してくれた中に、鶏の丸焼きがあった。

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「やっぱりクリスマスといえば、これだよね」と人間たちは盛り上がり、シャンパンで乾杯した後、いい感じにこんがり焼けたチキンをそれぞれに取り分けていった。「うまい!」とか「最高!」とか盛り上がる中、ふと見るとさっきまでそばにいたはずの大吉の姿がない。「はて?あいつはどこに行ったんだ?」と探すと、なんと、いつの間にかチキンの足を一本くわえて、遠くからこちらを見ているではないか。

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ふだんは絶対にそんなことしない大吉だったが、あまりにいい香りがしたのか、辛抱たまらくなって、隙を見てかっさらったのだろう。「あ、こら!」と言うと、くわえたチキンをぽろんと床に落として申し訳なさそうな顔をしたが、その姿があまりに不憫で、味のないところを選んでおすそ分けしてやったのだった。

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後にも先にも、大吉が人間の食事を「泥棒」したのは、そのときだけだ。それ以来、クリスマスにはチキンを少しだけあげるようにしている。だが昨年末に大吉が下痢をしたので病院に行くと「チキンか何かあげませんでした?」と獣医師に言われた。「今日はこれで5件目なんです」と。今年のクリスマスは注意しなくては。

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