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視線に込めた意図「穴澤賢の犬のはなし」

視線に込めた意図

犬と暮らしていると、日々彼らの視線を感じる。四六時中見られているわけではないが、何かしらの予感があるときに、じっと見つめられる。
たとえば、イレギュラーなお出かけの雰囲気を察知したときなど、しきりに目を合わせようとしてくる。そんなときの目は、たいがいキラキラと輝いていて「もしかして、どこか行く?」と問いかけてくる。
もっともわかりやすいのは、お裾分けを期待しているときかもしれない。以前、豚しゃぶをしたときに、魔が差して大吉にポン酢をつけていない冷めた豚肉をあげてしまったのがいけなかった。以来、豚しゃぶをする度に、ちょこんと前に座り、じっとこちらを見てくる。その目にはお出かけのときの「期待感」とはまったく違い、明確な「要求」が込められている。
無言なのに、「それ、くれるよね? 前はくれたもんね? 絶対くれるよね? まさかくれない、なんてことは、ないよね?」というメッセージが伝わってくる。もしかしたら写真では伝わらないかもしれないが、多くの飼い主は恐らく似た経験をしていることだろう。犬は目でモノを言うのだ。
人間同士だって、目だけでこれだけの意図を相手に伝えるのは難しいんじゃないかと思う。そもそも人間とアイコンタクトをするのは犬と猫くらいだというが、なぜ視線にメッセージまで込められるのか。
しかもメッセージだけはない。同時に猛烈な「圧」もかけてくる。無視していても、あえて目を合わさないようにしていても、視線が刺さっているのがありありとわかるほどに。また、「押す」だけではなく、ときに「悲しげ」な視線を織り交ぜてきたりもするから怖ろしい。
こうして「ダメ飼い主」が出来上がっていくのだろう。
※編集室注:犬に豚肉を与える際は、ゆでてタレなどをつけていないものをひとかけらくらいにしましょう
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