犬があちこちにオシッコするのは自分の縄張り主張?
散歩中の犬があちらこちらにオシッコするのは、「自分の縄張りを主張するため」だと考えられてきました。しかし現在では、この考えは間違っている可能性が高いと言われています。
新常識①|マーキングは犬同士のコミュニケーション
犬が電柱や木の幹などにオシッコするのは、ご存知の通り「マーキング」という行動です。そしてこのマーキングは上述通り、他の犬を寄せ付けまいとする「縄張り主張行為」であると考えられてきました。しかし最近の見解によると、自分のニオイを散歩中に拡散させることで「安心感を得る」のと、犬同士のコミュニケーションとして「ニオイの情報交換をしている」のだとされています。
新常識②|他の犬のマネをすることも…
一般的には生後6カ月くらいから、足を上げてオシッコするようになります。これは本能的なものだと考える人が多いかと思いますが、実際は他の犬が足を上げてオシッコする姿を見たことで、「マーキングのマネをしている」という見方もされています。
犬のオシッコにはその犬の情報が詰まっている
犬同士の情報交換のツールになっているオシッコには、その犬の情報がたっぷりと入っていることが分かっています。そのため、犬はオシッコのニオイを嗅ぐだけで、その犬のある程度の年齢や性別、健康状態や発情の周期まで判断できると考えられています。
つまり犬が散歩中にマーキングをしたり、あちこちクンクンとニオイを嗅いだりするのは、「今日はここを通りました!」などと自分の情報を伝え、犬同士で「名刺交換」をしているようなものなのです。
お散歩中のオシッコ面白エピソード
「それ、君のオシッコだよ!」
それでは最後に、クスッと笑える「散歩中の面白エピソード」をご紹介します!背を向けて写るカニーンヘン・ダックスフンドのぱるちゃんは、つい10分ほど前に自分がマーキングした場所をクンクン嗅いで、どの犬のオシッコなのかチェックしているんだそう。飼い主さんは、思わず、「いやいや君のオシッコだよ!」とつっこんでしまったそうです(笑)飼い主さんがオシッコの後にお水をかけてくれたから、自分のニオイが少し分からなくなったのかもしれませんね。
お兄ちゃんのマネして足上げオシッコ!
チワワのパピコちゃんは、保護団体から現在の飼い主さんのところへやってきました。その当時は恐怖心からか、かなり低姿勢で散歩していたそうです。しかし今では、お兄ちゃん(先住犬)のショコラちゃんをマネして、足を上げてオシッコするまで活発な女の子になりました!高々と足を上げてオシッコするお兄ちゃんを見て、「かっこいい!」と憧れてしまったのかもしれませんね(笑)
最新情報は正確なものを取り入れて!
これまでとは違った、犬のマーキングの新常識が明らかになりました。マーキングに限らず最新の研究では、これまでの犬の習性に関する概念が否定されることは少なくありません。その情報がいつ掲載されたものなのか、出典元が正しい情報なのかどうかをしっかり確認しましょう。愛犬家として犬をより深く理解するためには、正しい犬の新常識や最新情報は積極的に取り入れていきたいものですね。
出典/「いぬのきもち」18年3月号『犬の習性これってホント?それともウソ?』(監修:東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授 獣医師 増田宏司先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。