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犬と6日間の旅へ【穴澤賢の犬のはなし】

ゴールデンウイーク明けの5月14日から19日まで、犬たちと四国を旅してきた。行こうと思ったのは、まず正月に立てた今年の目標が「10日間くらい休みをとって何も考えずに大福と旅行をしたい、ときどき釣りでもしながら」であったこと。夏は犬も暑いから避けたいし、秋頃になって焦って計画しても実現は難しいだろうから、なるべく早く行っておいた方がいいか、という理由。
もうひとつは、友人でもある『腰越珈琲』の米田夫妻が、連休明けに親戚の結婚式で奥さんの地元である高知に一週間ほど帰郷すると聞き、では現地で合流しようという話になり計画したのだった。そのため世間では10連休だったが、ずっと休まず仕事して、その代休として四国へ向かった。

平日だし宿も見つかるだろうから行き当たりばったりの旅も悪くないかもしれないが、犬連れとなるとそうはいかない。犬OKの宿を探して予約しておかないといけないし、移動時間も彼らのことを考えてなるべく無理のないようにして、休憩をこまめに取ったほうがいい。とはいっても、宿と移動と休憩、それから暑さ対策と水分補給くらいに気をつければ、そんなに難しく考えることもない。
そんなわけで、5月14日朝6時に腰越(鎌倉市)を出発し、ちょくちょく休憩しながらゆっくり東名を下り、香川県に15時すぎに到着。15日は高知県の『四万十川ほとりの宿』で米田夫妻と合流、16日は『仁淀川ほとりの』へ移動、17日は米田君たちと別れ、徳島県の『海沿いの宿』に一泊、18日は徳島から東京へ向かうフェリーに乗り(予め犬OKの客室を予約)、19日に東京湾着というスケジュールだった。
旅程を書くと、なんだか慌ただしく感じるかもしれないが、この間特に何の予定は入れていないし、観光施設などにも寄っていない。ぜひ行ってみたかった川の色合いがきれいな仁淀川の「仁淀ブルー」を見に立ち寄ったくらいで、あとは宿周辺を散歩したり、河原で石を投げたり、釣りをしたり、ビールを飲みながらバーベキューをしたり、ゆるく過ごしていた。
だから、旅欲を高めるような旅レポは全然書けない。ごめんなさいよ。ただ、特別なことは何もしていないが、大吉と福助はずっと嬉しそうに顔を輝かせていたし、のんびりしているときも眠りたくないのか必死に睡魔と戦っているのがおかしかった(海や川での水遊びには一切興味がないらしかったが)。そんな彼らの姿を見られただけで、行ってよかったかな。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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