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克服できない「犬見知り」【穴澤賢の犬のはなし】

先週は久しぶりに『 Ven!Kitchen&Dog Garden 』に行ってきた。ここはドッグラン併設の犬OKレストラン(現在は事前予約制)で、仕事の付き合いもあるので挨拶がてら寄ったのだが、ドッグランに入るなり「うっひょー!」と走り出す大吉。

社交性ばつぐんの大吉

そして、片っ端から犬にあいさつして回る。ドッグランだから基本的に敵意むき出しの犬はいないが、それでもそれぞれテンションや温度の違いはある。合わない相手なら深追いしないが、とりあえずあいさつだけはしてみる。
初対面でも関係ない。相手が大きくても怯むことなく、小さい相手には気遣いすら見せる。なんてフレンドリーな性格なんだろう。
気の合う相手が見つかると、追いかけっこをして遊ぶ。バトルっぽいこともするが、決して本気のけんかになることはない。
見知らぬ犬がたくさんいても、社交的で嬉しそうにしている。思えば、富士丸もこういうタイプだった。犬は飼い主に似るというが、そうとも限らない。

「犬見知り」を発揮する福助

大吉とは対照的に、どう絡んでいいのか分からず、自分の立ち位置も見つけられず、立ち尽くす福助。かといって積極的に輪に加わりたいわけでもなく、隅っこに行ってできればそっとして置いて欲しいオーラを漂わせる。
どちらかといえば、私は福助の方が近い。というか、そっくりだ。見知らぬ人が多く集まる出版社のパーティーに行ったときの自分を見ているようだ。
子犬のころはトラウマを抱えていたので、ドッグランに連れて行く余裕がなかったせいかと思うが、大吉だってそれほど頻繁に行ったわけではない。
いっときは「イヌミシラー克服キャンペーン」と称して、よくドッグランに行ったが、6才になる今も克服できていないから、だからきっとそういう気質なんだろう。
けんかごしにならなくなっただけでも良しとしよう。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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