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山の家での苦行【穴澤賢の犬のはなし】

この連載を読んでくれている方は「週末に山の家でのんびりして、いいなぁ」と思っているかもしれないが、実際は全然違う。この前は、大福の足が汚れないようにと(後で拭くのが大変だから)、ウッドチップを軽トラック2台分買い、それをせっせと担いでドッグランへ運んだりしていた。

山の家の維持・管理は大変だ

さらに春からは草刈りしなくてはいけないし、秋になって落ち着いたと思ったら、冬に備えてスタッドレスタイヤに変え、外してもらったノーマルタイヤをまたせっせと物置まで運ばないといけない。道路からの坂道は結構きついから、重いタイヤを担いで4往復もするとそれだけでヘトヘトになる。
渋滞を避けるため、だいたい金曜の夜に到着し、日曜の朝には発つ。作業できるのは土曜日だけ、日が落ちるまでが勝負だから、くつろいでいる暇はない。結局、山の家ではほとんどずっと力仕事をしている。

思いつきでさらに苦労する

そんな中、「ドッグランに、ウッドデッキがあったらいいんじゃない?」と思いつきでキットを買ってしまう。完成品を並べればいいと思いきや、斜面だからそれだとグラグラして安定しない。
基礎石を置けば何とかなるだろと思ったが、全然だめ。ホームセンターに行って店員さんに聞くと、基礎石だけではなく、まず深めに穴を堀り、砕石(さいせき)を敷き詰めて水平を取らないといけないと教えてくれた。
それくらいちゃんと下調べしろよと思うが、気がつくのはいつも後になってから。仕方なく、ひと袋20キログラムもある砕石を3袋せっせと担いで運び、水平を取るために穴を掘り、ヘトヘトになって日が暮れた。続きはまた次回。
その間、大吉と福助は我関せずドッグランで遊び回り、私が疲れ果てていると、呆れた顔をしている。大吉が正しいと思う。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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