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1才になる前にがんになった元野犬の子犬 たくさんの支えにより大病を乗り越える

犬や猫などの動物の命をあずかることは簡単なことではありませんが、一緒に暮らしていくなかでたくさんの幸せを感じている人たちも多いでしょう。

子牛柄が可愛いりんちゃん
元保護犬のりんちゃん
@family.nishimura
今回紹介するのは、Instagramユーザー@family.nishimuraさんの愛犬・りんちゃん(♀・1才)。体の子牛柄の模様がなんとも愛らしいりんちゃんは、元保護犬でした。

飼い主の西村さんにりんちゃんとのこれまでの日々を聞いてみると、大病を乗り越えたという過去があったのだそうです。

野犬の子犬だったりんちゃんに、先々代犬との縁のようなものを感じた

子犬の頃のりんちゃん
@family.nishimura
山口県周南市で野犬の子として生まれたりんちゃんは、2019年10月、生後1カ月ごろのときに姉弟犬たちと共に保護されました。当時、引き取り手がいなければ処分の対象になっていたそうですが、ある保護団体がりんちゃんたちを施設から保護、その後、関東地方で里親募集をしていたのだそう。

ちょうどその頃、2019年8月に先代犬が天国に旅立ち、次のコを迎えようかと検討していた西村さんは、里親募集サイトでりんちゃんたちのことを知ります。

先々代犬・もこちゃん
先々代犬・もこちゃん
@C10CM11RRK_N
西村さん:
「パッと掲載されているりんを見たとき、ちょっと写真うつりの悪いコだなと思ったのですが、顔の模様が先々代犬・もこに似ていました。

じつは最初、ほかのコに応募していたのですが、すでに里親が決まりそうとのことで…諦めようかと思いましたが、試しにりんに応募者はいるのか聞いてみると、まだ応募がないと言われ、顔の模様やなんとなく運の悪いところに運命を感じ、このコを家族に迎えようと決めました」

子犬の頃のりんちゃん
@family.nishimura
西村さん:
「出会ったときの印象は、ひとなつっこくて写真より100倍可愛いコでした。ゴハンを探して、保護団体様のお店をトテトテ歩く姿に癒され、りんとの新しい生活にとてもワクワクしたのを覚えています」

こうして、りんちゃんは西村さんと家族になったのでした。

甘えん坊だけど、慎重派な一面も

ソファの背に登るりんちゃん
@family.nishimura
一緒に暮らしてわかったりんちゃんの性格は、引っ込み思案なところもあるけれど、家族にはとても甘えん坊なところ。

初対面の人や犬に対しては慎重ですが、家族の帰宅時や気を許した人に会ったときには、飛びついてしっぽをプロペラのように回して喜んでくれるのだとか。撫でてほしいときには、鼻でツンツンと突っついて「撫でて」と要求してくることもあるのだそうです。

また、遊びでおもちゃを隠そうとしても阻止したり、大型犬の犬友2頭とワンプロをしていてもめげずに向かっていくなど、根性もすごいのだとか!

成長するにつれ、体が子牛柄に変化

ドッグランで走るりんちゃん
@family.nishimura
りんちゃんが成長していくなかで、西村さんはある魅力に気づいたそうです。それは、体の模様。小さいときは頭に黒い模様があるだけで、体全体は白かったそう。しかし、成長するにつれて徐々に斑点が出始めて、今では子牛柄に変化したといいます。

一緒に暮らし始めて、りんちゃんの可愛いところをいろいろと発見できたようです。

りんちゃんと出会い、犬についてより勉強するように

伏せをするりんちゃん
@family.nishimura
りんちゃんと家族になり、西村さん自身、犬についてより勉強をするようになったそう。トレーニングするなかで、りんちゃんの成長を日に日に実感したといいます。

西村さん:
「素人なりにですが、りんと私の二人三脚で日々トレーニングをしています。以前のりんは散歩中、右往左往しグイグイと引っ張るコでした。でも毎日2回、ふたりで頑張って『マテ』『来い』や脚側歩行の練習を繰り返し行うことで、今では私の側についてしっかりと歩いてくれるようになりました」

おやつを食べるりんちゃん
@family.nishimura
また、りんちゃんのおかげで散歩やドッグラン、SNSでたくさんの人と繋がることができ、素敵な犬友に出会えたことに喜びを感じているとも話していました。

乳歯から永久歯に変わる頃に、りんちゃんの異変に気づいた

りんちゃんの口の中にできた腫瘍
切除する前の口の中の腫瘍
@C10CM11RRK_N
りんちゃんの成長の様子を日々見守ってきた西村さんですが、そのなかでも忘れられない出来事があったといいます。

西村さん:
「りんの口の中に『扁平上皮癌』と言われる悪性のがんができ、手術を行ったことです。 乳歯から永久歯に変わるときに、切歯のところに腫瘍ができ始め、検査をしたところ扁平上皮癌と診断されました。

どこまで浸潤しているかわからず、下手をすれば上顎のほとんどを切除する必要があるかもしれないーー獣医師からこう伝えられたときは涙が出ました」

手術後のりんちゃん
手術後のりんちゃん
@family.nishimura
りんちゃんの担当の獣医師の話によると、扁平上皮癌はシニア犬に見られるケースが多く、りんちゃんのような1才未満の子犬でなるのは非常に珍しいのだとか。

西村さん:
「今後のりんがどうなってしまうのかとても不安でした。手術日までりんとたくさん遊んで、たくさん写真を撮りました。まだ1才にもなっていないりんが麻酔に耐えられるのか、術後どんな顔になっているのか…不安で仕方なかったですし、手術当日は気が気ではなかったです。

でも先生や看護師さん、同じ周南犬の里親になられた方からのエールのおかげで、無事に手術を終えることができました。がんは骨には浸潤していなかったため完治となり、りんの顔もまったく変わらずに済みました。

本当にたくさんの方に支えられて今の元気なりんがいると思うと、感謝の気持ちでいっぱいです」

見つめるりんちゃん
@family.nishimura
大病を乗り越え、元気な姿を見せてくれているりんちゃん。がんができた箇所がたまたま見えるところで骨組織まで浸潤していなかったこと、執刀医や看護師さんに恵まれたこと、たくさんの応援メッセージをもらったこと…西村さんは「たくさんの幸運がりんをがんから救い出したんだと思う」とも話していました。

限られた時間のなかでいろんなことがあるけれど、どれもかけがえのないもの

笑顔のりんちゃん
@family.nishimura
西村さんの生活のなかには、昔も今も、犬や猫がいました。動物と暮らすのは簡単なことではないけれど、共に暮らしていくなかで楽しいことや魅力もたくさん感じるといいます。

西村さん:
「幼いときは何にでも興味を示してトライする姿は、見ていてとても微笑ましいです。大人になれば幼いときにできなかったことができるようになり、新たなことを覚えたりと、その成長に感動します。

そしてシニアでは白い毛が増え、できないことも増えて寝ていることも多くなりますが、その愛おしさと一緒に過ごす時間は、私にとって最も濃く貴重な時間です。

限られた時間のなかで、泣いたり笑ったり怒ったり喜んだり…いろいろなことがありますが、どれもかけがえのないものです。そのような思い出をどれだけ作れるかをいつも考えて、毎日共に暮らしています。

いつも飼い主の側に寄り添ってくれて一番の味方でいてくれるのも、彼らの魅力のひとつだと思いますね」

舌を出すりんちゃん
@family.nishimura
りんちゃんと出会い、改めて犬と暮らせる喜びを日々感じている西村さん。素敵な日常の様子は、ぜひInstagramでもご覧ください。

参照/Instagram(@family.nishimura)、Twitter(@C10CM11RRK_N
取材・文/雨宮カイ
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