犬の行動では飼い主さんからすると「なんでこんなことをするの?」と不思議に思うこともあるかもしれません。
そこで今回は、「犬が散歩前に取る不思議な行動とその理由」について、獣医師の増田宏司先生に伺ってみました。
「散歩だよ」と声をかけると興奮して噛む!
散歩前に声をかけると興奮して噛んでくるのは、散歩が嫌なわけではなく、むしろ嬉しい気持ちの表れです。「飼い主さんとの散歩が楽しみ」という気持ちが高ぶりすぎて、どうしていいかわからなくなっており、つい噛みついてしまっているのでしょう。
もし散歩前の噛みつきに困っているようなら、散歩に行く前は声をかけず、刺激しないよう淡々と準備をするのが効果的ですよ。
散歩の準備中は不機嫌なのに、外に出たらご機嫌になる
散歩の準備中に機嫌が悪くなるのは、準備中の行動に何か気に入らないことがあると考えられます。例えば、リードやハーネスを付けられたり、洋服を着させられたりなど、体を拘束されるのが苦手なのかも。それらに耐えている様子が、不機嫌になっているように見えるのでしょう。
この場合は、リードや洋服の装着時におやつを与えながら少しずつ行うのがおすすめ。徐々に慣らしていけば、不機嫌さは減っていくはずですよ。
散歩の準備中、耳を倒してリズミカルに歩きながら待機している
耳を倒して警戒をしているようなしぐさと、楽しそうに歩くしぐさ。矛盾しているように思う2つのしぐさですが、この2つを一緒に行うときは「嬉しい気持ちが抑えられず、うっかりあふれ出てしまっている」という複雑な感情の表れです。控えめな表現ですが、散歩をとても楽しみにしているのでしょう。
散歩は、犬にとってとても大切な時間です。充実した散歩時間が過ごせるよう愛犬の様子を見守りながら進めてみてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2022年4月号『散歩のときどんなことを考えているの? 愛犬のフシギ行動をアテレコしてみた!』
文/東里奈
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。