愛犬が吠えたり、噛んだりするとき、「ダメ!」と叱ってもやまない場合は、逆に、吠えや噛みを強化することになりかねません。解決の第一歩は、吠えや噛みの理由を知ること。今回は「トイレシーツを交換するときに噛む」愛犬の心理と正しい対処法をしつけインストラクターの荒井隆嘉先生に教えていただきました。
大切なコレクションを取り戻したい
おもちゃのボールなどをあたかも宝物のように部屋の隅に隠す、いわゆるコレクターの性質をもつ犬がいます。そのコレクションの対象はさまざま。たまたま床に落ちていた紙くずや洗濯物、そして今回の例のようなトイレシーツも対象になることが……。ただの日用品も、その犬にとっては大切な宝物。それを取り上げようというのですから、犬も必死に抵抗して噛んでしまうのです。
トイレシーツを交換するとき噛む犬のアタマの中は……
愛犬「それは私の大事なコレクションなんですが……」
飼い主さん「どうしたの?」
飼い主さん「キレイなものと交換するよ」
愛犬「取り上げようとしていますね!」
愛犬「そうはさせませんよ!」
飼い主さん「痛い!」
●カンちがいポイント
人は汚れたトイレシーツを交換しているだけですが、犬は宝物を取られると感じ、取り戻そうとします。
飼い主さん「どういうつもりなの!?」
愛犬「取り上げるようなら噛みますよ!」
正しい対処法は、犬に気づかれないよう処理し、取り合いを避ける
トイレシーツを犬が勝手にコレクションの対象にすることを止めることはできません。無理に交換しようとすると、犬の執着心をより強めることに。こういうときは、トイレシーツの取り合いが起こらないよう、別室やハウスなどに犬を入れて、犬に気づかれないようにトイレシーツの交換を。
「汚れたトイレシーツを交換しているのに、どうして噛むの!?」。そんなお悩みがある飼い主さんは、ひょっとしたら愛犬の気持ちをカンちがいしているだけかもしれません。今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。
お話を伺った先生/しつけ教室DOGLY代表 荒井隆嘉先生
参考/「いぬのきもち」2023年11月号『犬のアタマの中をのぞいたら吠え・噛みの理由がわかった』
写真/佐藤正之
文/いぬのきもち編集室