犬が好き
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東日本大震災の1年後に、避難区域で生まれた野犬の子犬。新しい家族と出会い幸せに暮らす様子を聞いた
いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、乙女ちゃんとの出会いや今の暮らしについて、飼い主さんにお話を伺いました。
2012年に福島県飯館村で生まれた乙女ちゃんとの出会い
幸いにも、避難区域などに取り残された犬猫たちのケアや保護をしている個人のボランティアさんが乙女ちゃんのことを見つけ、保護したのだといいます。
飼い主さん:
「当時、近くには猿の群れがいたようで危ないところだったようです。保護当時の乙女は血まみれだったそうですが、すぐに動物病院で治療をしてもらうことができました。
その後は関東南部の病院で受け入れてもらい、2週間ほどを経て、北関東にあるボランティア団体さんのもとにやってきたんです」
飼い主さん:
「ペット雑貨の販売とトリミングサロンを営んでいる知人の店に、夫の実家のチワワを連れて2、3年ぶりに訪れたときのことでした。
入り口に『今までに見たことのないくらいの可愛い子犬がいる!』と思って。乙女に一目惚れしてしまいました。
ちょうど里親探しをしているということだったので、その場で夫に連絡をして、すぐに家に迎えることにしたんです」
ツンデレな乙女ちゃん。ここ4、5年で変化が
好きな人・犬のときはいいけれど、嫌いなタイプの人・犬に対してはそっけないような態度を見せ、対応に困ってしまうこともあったそう。
ツンデレな性格で、家に迎えた頃はまったくと言っていいほど甘えてこなかったそうですが、ここ4、5年で乙女ちゃんに変化が見られたといいます。

「乙女がおなかを見せて『ナデて』と甘えるような態度を見せるようになり、迎えた頃と比較して、驚きと嬉しさを感じました。
また、ふだんは『ひとりで大丈夫』という素振りをしている乙女ですが、お出かけで留守番が長くなるとものすごく怒るんです。
感情表現をあらわにしてくれるところも可愛くて、そんな乙女の姿が見られて嬉しいです」
乙女ちゃんの成長に驚き
「乙女を迎えた頃は、どれくらいの大きさになるのかもわかりませんでした。家に来たときはチワワくらいの大きさでしたが、毎日大きくなっていくのがわかるくらいスクスクと成長していって。
とくに、足だけがものすごく伸びていて『ヤギのようになるのではないか!?』とビックリしたことは、今でも覚えています(笑)
ほかにも、乙女は高い壁なども猫のようにジャンプして登って見せてくれたりもして、私たちが知る限りの犬の常識を簡単に超えてくれましたね」
シニア期になっても、毎日可愛さが増していく
飼い主さん:
「若いときの散歩は過酷なこともありましたが、7才を過ぎたあたりから散歩の時間が減ってしまい、少し寂しく感じています。
来年は10才になり、だんだんとできなくなってくることも増えるかと思いますが、それ以上に毎日乙女の可愛さが増していっています。
これからも楽しく、乙女に『ウチのコになってよかった!』と思ってもらえるように毎日を過ごしていきたいです」
取材・文/雨宮カイ
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