犬が好き
UP DATE
外で排泄をしない犬には、理由がある|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.120
今回は、外で排泄しない犬もいるというお話。西川先生によると、外で排泄しないよう教えられている犬を除いて、しないのは理由があるそう。その理由とは何でしょうか?(編集部)
聞くところによると戦国時代の武将、武田信玄は6畳間の真ん中に排泄スペースを設置したそう。理由は外から槍で刺されても、平気なようにとのこと。
まぁかように、排泄しているときは敏腕のデカだろうと、戦いの猛者であろうとも無防備となる。
であれば、襲われるかもしれない、という心理状態では極力、排泄行為は控えるのが自然となる。
またまた何の話を始めたんだとお思いかもしれませんが、これまた犬も同様というお話。
外で排泄をしないのですが
実際にそうした犬の姿も、子どもの頃から目にしてきたわけで、犬は外で排泄するのが当たり前、そう刷り込まれている飼い主が少なくありません。
ところが、犬を飼い始めて散歩に出ると、犬が外での排泄を一切しなかったりする。
ここで心配になる。
「うちのコ、ちょっと変?」
実際「外で排泄をしない」ということをお悩み事としてあげてくる飼い主は、少なからずいる。
もちろん散歩の初日からする犬もいます。
でも、そうでない犬もたくさんいる。
排泄は無防備な状況を生む
そう、外が怖い、外に慣れていない犬は、外での排泄を控える、というわけです。ただ、多くは散歩を繰り返し外に慣れていくことで、やがて外での排泄を行うようになる。
外は他犬の排泄している匂いに満ちています。犬は他犬の排泄の匂いのある場所で排泄をしたがるからです。
外に慣れていない場合は、それどころではない。外に慣れてくると、本来の自然な行動ができるようになってくる。そういうことなのです。
外での排泄は社会化の問題でもある
不快な状態から解放される=嫌なことがなくなる。
嫌なことがなくなる行動は習慣化していく。
ただ、先に挙げたように、排泄は無防備な状況でもある。
そこで、過去の経験で、排泄をしたときに何も起こらなかった(襲われなかった)場所(家の中のトイレ)を記憶し、そこに辿り着けるまでは我慢をする。
我々も同様です。
家まで我慢できるのなら、多少の便意や尿意は我慢するはずです(もっとも家のトイレが快適で外のトイレが不快であれば、の話ですが)。
すなわち、外で排泄をするかしないかは、「外に慣れているか」、「外に慣れていくか」。要は、社会化の問題なのです(だからこそ社会化期の社会化が重要なわけですが)。
そういえば、そもそも外で排泄はさせないといけないのか?
行政サイドは、散歩は飼い主の家の敷地内で済ませてからとお願いをしていたりしますからね。
さて、そのあたりのことは、次回に持ち越しということで。
西川文二氏 プロフィール
UP DATE