犬が好き
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大吉へのお手紙【穴澤賢の犬のはなし】
Vol.32 大吉へのお手紙
よくよく考えてみたら、お前がうちに来てまだ2年か。
どうもそんな気がしない。もっと長くいるような。
でもまだ2才だもんな。そうかそうか、そうだった。
また犬と暮らすのか、それともやめておくのか。
考えすぎて吐きそうになりながら高速道路を運転したのは、
いったいなんだったのだ。
今のお前を見ていると、そう思ってしまう。
当たり前のように散歩に行き、当たり前のようにソファーで昼寝して。
子犬のころはかわいかったなぁ、お前。
コロコロしてて、鈍臭くて。
かわいすぎて、テレビに集中できないくらいだったもんなぁ。
それがみるみる大きくなって、バランスの悪い時期をすぎて、
どうなるのかと思っていたら、なんとも中途半端になっちゃって。
左右で耳の立ち方が違うって、どうにかならんのか。
全体的に、毛並みの統一感はないし。
ま、それはそれで別にいい。
「昭和の雑種」みたいで、なかなかよろしい。
ところでお前は、自分がかなり甘やかされていることを知らんだろう。
手作りごはんだし、留守番の時間は短いし、
おそらくなんの不満もないはずだ。
それが当たり前だと思っているのだろう。
ま、それも別にいい。
お前に過去のことは関係ないだろうし。
俺がしたくてしてることだから。
なんの心配もいらない。
たとえ俺がいなくなっても、大丈夫なようにちゃんとしてある。
好きなようにしていればいい。
いいたいこともとくにない。
あ、ひとつだけ。
寝るときにベッドにあがるのはいいが、
人の顔にお尻を押しつけて寝るのは止めなさい。
以上だ。
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