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兄の心【穴澤賢の犬のはなし】

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兄の心

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福助も1才をすぎて、身体の成長はもう完成系といっていいだろう。体重は大吉の12.3キロを少し上回る12.7キロになった。ただし、頭脳と力はまだまだ大吉に及ばないようだ。しかし大吉はそんな福助を……。

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体重は福助のほうが少し重たいが、骨格や肉球は大吉のほうがやや大きい。福助が太りすぎなのかと獣医師さんに相談してみたところ、肥満というほどではなく、大吉がスマートすぎるのでそう見えるのではないかとのことだった。

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格闘技の世界では体重のあるほうが圧倒的に有利になるが、大吉と福助の場合はその法則は当てはまらないらしい。大吉のほうが断然力が強いのだ。とくにオモチャをくわえて引っ張るときは、足を踏ん張り、綱引きのように力を入れるタイミングを計り、勢いをつけてワッショイ、ワッショイという感じで断続的に力を加えてくる。ある程度しっかり握っていないとすぐに持っていかれそうになる。対して、福助はただ引っ張るだけ。そのため、重たいだけでたいしたことはない。

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だから大吉と福助がオモチャを引っ張り合ったら大吉が圧勝しそうなものなのに、なぜかほとんど最終的には福助が奪い取る。個別にやると、大吉は相当の力を発揮するのに、福助が相手になると、どうも手加減しているらしい。たしかに福助が子犬のころの大吉は明らかに手を抜いてやっていた。が、もう大人になったんだし、そろそろ差を見せつけてやればいいのにと思うのだけれど、まだ負けてやっている。

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とっくみあいの遊びでも大吉が負けることはないが、福助がおなかを見せて降参するまで追い込んだりはしない。それで調子に乗った福助にしつこくしされて、最後はいつも大吉がうざそうにしている。そんなにうざいのなら、一発ガツンとやってやればいいのにと思うのだが、それもやらない。仕掛けるのは毎回福助かと思いきや、たまに大吉からちょっかいを出したりしているので、遊びたくないわけでもないらしい。

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犬というのは、自分より年下のモノに対して、こうも寛大なものなのだろうか。もしかしたら、がまんしているのだろうか。だとしたら大吉がちょっと不憫でもある。と思っていたら、福助が苦労して頑丈なオモチャをかんで「イタズラのきっかけ」を作った瞬間、大吉が横取り。彼らにとってメインイベントである中の綿を出す作業を奪ったりしているのを見て、なるほどたまにはそういう意地汚いこともするのねとちょっと安心したのだった。

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