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苦労もあるけど、それ以上に…「保護犬を家族に迎える」とはどういうことか

見つめるチワワ
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
犬を飼いたいと思ったとき、ペットショップの子犬を購入するのではなく、かわいそうな境遇にいる犬を引き取りたいと思う人もいるでしょう。

しかし、実際に保護犬を家族に迎え入れるのは、とても大変なことなのではないか……と、なかなか一歩を踏み出せない人もいるのでは。

そこで、いぬのきもち編集室では、これから保護犬を家族にしたいと思っている人たちが飼ってからのことをイメージできるよう、経験者の方にお話を伺うことに。

保護犬との出会い、飼い始めてからの苦労、喜び、そしていまの感情を打ち明けてもらいました。

つらい過去も乗り越えて、いまを懸命に生きている愛犬

怯える犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
保護犬になったワンちゃんたちは、つらい境遇に置かれていたことが多いです。ある飼い主さんは、次のように語っています。
・「愛犬は猫が数十匹徘徊するような家で生肉を与えられ、そこの家の子どもたちにぬいぐるみのように振り回されていたそうです。生後3カ月くらいで私の家に来たのですが、しばらく下痢で大変でした。

人を恐れるというか、気を遣うような素振りがありましたが、いまではしっかり目を合わせくれ、元気いっぱいです。こちらが毎日癒されています」
満足なゴハンも食べられず、まるで虐待ともいえる扱いを受けていたワンちゃん。体への悪影響も見られたようですが、新しい飼い主さんが献身的にサポートしてあげたようです。

最初のころは大変だけれど、お利口に育ってくれた

見つめる犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
保護犬を引き取り、最初のうちはやはり大変なことも多かったという飼い主さんたち。しかし、次第にしつけも覚えるようになり、お利口に育ってくれたというコも多いのです。
・「前に飼っていた犬が保護犬で、我が家に来たときはまだ7カ月でした。怖がりでほかの犬や人間と会うと動けなくなって、散歩が大変でした。

でも、慣れてきたらとっても大人しいコで吠えることもリードを引っ張ることもなく、誰に触られても平気で近所で評判の安心犬となりました」



・「はじめて会ったときはおとなしかったが、家に来てからはケージから出るは、一日中吠え続けるは、排泄したあとを踏みつけてケージの中が大変なことになっているはで……。毎日仕事から帰ってきて掃除をするっていうことが、半年くらい続いた。

でも3年経ったいまは、とてもお利口になって、なくてはならない存在になっている」



・「最初は慣れない生活でお腹をよくこわして、病院にも通いました。でも、一緒に家の中で生活していて粗相もしないし、イタズラも我慢できる頭の良いコだと思います!

お散歩中や庭に出ると野生にかえってしまったようにハイテンションになり大変ですが、大切な家族の一員です」
どのような環境に置かれていたワンちゃんなのかによっても状況は違ってくるとは思いますが、徐々に新しい家庭に慣れてくるようです。

育てる苦労もあるけれど、喜びのほうが勝る

眠る犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
保護犬のなかには、病気をしているコもいれば心に傷を負っているコもいるなど、普通の環境にいたワンちゃんよりもお世話をするのが大変なこともあるでしょう。

しかし、愛情を持って接してたくさんの時間をともにすることで、苦労よりも喜びの感情のほうが勝るのだそう。
・「家族がペットロスでなかなか克服できなかったので、知人から『犬には、犬!』とのアドバイスで、保護犬サイトのネットを検索しました。その中の特殊な事情がある犬に目が止まり、運命を感じて引き取りました。

いままで、生後1才過ぎや生後9カ月の犬を引き取りましたが、苦労は感じたことはないです。怖がりでビビリだったりする犬もいますが、少しずつ克服して成長していっているので、喜びのほうが大きいです」
抱っこされる犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
保護犬と暮らす喜びはあるものの、なかにはワンちゃんにかかる医療費など、現実的な問題を吐露した方も。
・「老犬で病気もあり、医療費がものすごくかかっていますが、そのかわいさは何物にも変えがたいです。なにより、父母に生きがいを与えてくれています。認知症の進行が遅くなりました」
病気で医療費がかかってしまったとしても、愛犬の存在は「家族の生きがい」にもなっていると明かしてくれました。

トラウマをなかなか克服できないワンちゃんも……

遊ぶ犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
だんだんと社会性が出てきて、性格も明るくなるというワンちゃんがいるなか、時間が経ってもなかなか心を開かないコもいるようです。
・「愛犬は、動物病院で里親募集されていた雑種の子犬でした。とくに問題もなく育ちましたが、時々脱走する癖があり、走っている車にぶつかったことも……。

脱走してもちゃんと自分で家に帰れていた愛犬も、歳をとって最後の脱走をしたときは、帰巣本能が薄れていたのか自力で帰れず、捕獲されて保健所へ。探しに探してやっと連れて帰ることができ、そのときはヒヤヒヤした。

また、ふだんは静かなコだったが、家以外の場所に係留すると置いて行かれると思うのか、悲痛な声で鳴き続ける癖もあった。

人懐っこくてかわいいコで、私にとってはいつまで経っても『最初の犬』として記憶に残っている」



・「友人から頼まれて保護犬を迎えました。あれから11年、いまだに人に懐きません。よほど人間に対して恐怖やトラウマがあるのでしょう。でも、吠えたり噛んだり攻撃したりすることはまったくなく、穏やかで優しい女のコです」
いったいどれほどのつらい環境に置かれていたのでしょう。きっと、いまは飼い主さんだけが心の支えになっていると思います。

見た目で判断しないで、そのコの性格を見てあげよう

見つめる犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
最後に、飼い主さんたちのお話のなかで、印象に残っているものがあったので紹介しますね。
・「インターネットで募集していたので応募しました。トイレのしつけやマテはできてたのでよかったけれど、イタズラがひどくて大変だった。

でも、喜怒哀楽がはっきりしたコでおもしろいし、見た目が変わったコなので余計にかわいいい」
保護犬サイトなどを見てもわかると思いますが、劣悪な環境にいたようなワンちゃんはお手入れもされておらず、言葉は悪いですが、みすぼらしい姿に見えてしまうコもいます。

しかし、保護犬を迎えるときは、この飼い主さんのようにそのコの「性格や内面」といったところも、しっかりと見てあげてください。

ワンちゃんそれぞれに、魅力的な個性があるのです。
見つめる犬
まいにちのいぬのきもちアプリ投稿写真より
保護犬を引き取るというのは、大変なことも多いですよね。人に心を開いてくれるまでは、かなりの時間を要するコもいると思います。

人に怯えてしまうワンちゃんを見て、トラウマを植え付けた人に怒りを覚えることもあるでしょう。

そのような状況のなかで、心を寄り添わせて築いてきた飼い主さんと愛犬の絆は、とても強いものだと思います。

軽い気持ちで保護犬を家族に迎えるのはやめたほうがいいですが、「このワンちゃんを幸せにしてあげたい」「家族になりたい」と強く思った人は、考えてみてはいかがでしょうか。

『いぬのきもちアンケート vol.23』
文/凜香
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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