飼い主より先に歩かせても問題なし!
これまでは飼い主と犬の関係について、上下・主従関係をしっかりさせることが重要だと考えられてきました。その中でも、「飼い主より犬を先に歩かせると、犬は自分がリーダーだと勘違いするから横を歩かせるように!」なんてよく言われたものです。しかし、この考え方には何の根拠もありません。犬が散歩中に飼い主さんをグイグイ引っ張って歩くのは、ただ散歩が楽しくてハイテンションになっているだけ、というのが新しい考え方です。
ただし、犬の行きたい方向ばかり好き勝手に歩かせてしまうと、ワガママを許してくれるのだと認識されてしまいます。歩く方向などは、飼い主がリードする必要があるので注意しましょう!
上位になっているのではなく、ワガママになっているのかも
そもそも犬に上下関係という意識はない
このような飼い主と犬の上下関係については、犬による“家族の順位付け説”でも語られていますが、この説もすでに否定されています。そもそも犬には、自分よりも相手が上か下かなどという意識はないと考えられるようになりました。犬はあくまで、相手が一緒にいて安心できる人か?頼れる人なのか?というレベルで判断し、相手によって態度を変えているようです。
また、犬には損得勘定のようなものもあると考えられています。つまり「自分にとってメリットのある人の言う事は聞く」などの理由から、相手によって態度を変えることもあるとされています。
ワガママになっているだけの可能性大!
もし「犬が自分よりも上位になっているな」と感じるのであれば、それは「飼い主と犬」という基本的なパートナーシップが築かれていないことが原因で、犬がワガママになっているのもしれません。
犬のワガママを放置してしまうとエスカレートしてしまい、飼い主さんの言う事を全く聞かない犬になってしまいます。では、このワガママは、どのように直せばいいのでしょうか。
犬のワガママを改善するためには基本的なしつけが重要
犬のワガママを直すためには、「オテ」や「オスワリ」「マッテ」などの基本的なしつけを行いながら、コミュニケーションを取ることが重要です。ただし、犬が嫌がることを無理にすると対抗心を強くしてしまい、信頼関係を悪化させることもあります。おもちゃで一緒に遊ぶ時は、飼い主が遊び始めと終わりを主導するなど、少しずつ飼い主の指示に従えるように「しつけ直して」いくのがポイントです。犬が上手に指示に従えたら、その場でしっかりと褒めてあげるように心がけましょう。
犬は一緒に暮らすパートナー、最低限のしつけを心がけて!
犬が人に対して、上か下かという意識を持っていない以上、「一緒に暮らすパートナー」として接することが大切です。飼い主が作った基本的な生活ルールに犬が従うことができるよう、日々のしつけによって信頼関係を築いていくのです。
少しずつでも飼い主の指示に従えるような関係になれば、犬が上位になっているかのようなお困り行動は改善されていくはずですよ。
出典/「いぬのきもち」18年3月号『犬の習性これってホント?それともウソ?』(監修:東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授 獣医師 増田宏司先生)
いぬのきもちWEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A』(監修:いぬのきもち相談室 担当獣医師)(https://pet.benesse.ne.jp/dog/sogojoho/qa/articles/?id=mi6knj00000039nx)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。