保護犬つくしちゃんと出会い、気づけた幸せーーそれでもやっぱり、犬と生きたい

きれいな優しい目をしていて、お耳がチャームポイントのつくしちゃん（推定4才）。じつは、つくしちゃんは元保護犬でした。

山崎さん夫婦の心からの願いにより、つくしちゃんは導かれるように家族として迎え入れられたのです。

「また犬と暮らしたい」という想い

「先代犬のフレンチ・ブルドッグのぷっちちゃんが、17才半で旅立ちました。飼い主としてできるすべてを出し尽くしたと思っていたので、次の犬のことはあまり考えていなかったんです」と振り返る、山崎さん。

しかし、先代犬との別れから半年が経ち、「また犬と暮らしたいな」という想いが自然と芽生えてきたのだそう。

そんなときにいくつかの保護団体のホームページを見ていて、ふと目に止まったのがつくしちゃんでした。

「なんてかわいいコなんだろう」

会ってみたい気持ちが募っていたころ、つくしちゃんのいる保護団体が近くで譲渡会を開くと知ることになります。

先代犬とのお別れで、もう犬を飼うことはないと思っていた。だけど、本当はまた犬と暮らしたいーーその素直な気持ちをご主人に打ち明けると、「じゃあ、譲渡会に行ってみる？」と前向きな返事が！

そうして山崎さん夫婦は、つくしちゃんに会いに行くことにしたのです。

つくしちゃんを抱っこして、家族に迎えようと決意

つくしちゃんの第一印象は、とてもおとなしかったそう。2〜3才ではないかと聞いていたけれど、「ほんとに！？」と思ってしまうほどの落ち着きっぷりだったようです。

後日かかりつけ医に聞いてみると、実際は4〜5才ではないかとのことでした。

どんな人が触っても平気で、穏やかなつくしちゃん。ご主人が抱っこしたときには体を委ねてくれたそうで、そのときに「つくしちゃんを迎え入れよう！」と決心したそうです。

「つくしちゃんを『家族に迎えたい』と確信してから、いろいろなタイミングがよかったのでしょう。まるで導かれるように、順調に決まりました」

そして2018年3月から、つくしちゃんとの新しい生活がはじまったのです。

最初は不安だった、先住猫たちとつくしちゃんの関係

山崎さんの家では、猫を2匹飼っています。黒猫のくろ美ちゃんと、キジトラのもんちゃん。

もんちゃんは、初日からつくしちゃんを舐めてくれて、とっても友好的だったそう。

一方のくろ美ちゃんは、つくしちゃんをまったく受け入れず常に攻撃態勢！　そんなとき、もんちゃんが2匹の間に入ってフォローしてくれたのだそうです。

最初は距離があったつくしちゃんとくろ美ちゃんだけれど、徐々に関係性に変化が見られます。

1カ月後には、つくしちゃんが家の中を自由に動いても、くろ美ちゃんは怒らなくなったそう。一緒に暮らしていくなかで、つくしちゃんをやっと「家族」として認めてくれたのです。

そんなくろ美ちゃんの心の変化に、山崎さんはとても感動したのでした。

つくしちゃんにも徐々に変化が

おとなしい印象だったつくしちゃんにも、次第に変化が見えてきました。

投げたボールを喜んで追いかけたり、ぬいぐるみの中の綿を出してみたり。もんちゃんと楽しそうに追いかけっこやじゃれ合ったりすることも！

その無邪気な姿に、山崎さんは「あんなにおとなしいと感じていたけれど、本当は天真爛漫な一面を持っていたんだなぁ」と、つくしちゃんの新たな一面を見ることができたようです。

また、お散歩のときには「こっちには行きたくない！」とたまに自己主張をするようにもなったそう。そんなわがままさえも、愛おしく感じる日々を送っているようです。

暮らしの中に犬がいるということの幸せ

一度は「犬との暮らしはもうないだろう」と思っていたけれど、つくしちゃんとの出会いで山崎さんも変わりました。

「先代犬が亡くなり私ひとりで寂しく散歩をしていましたが、また犬と共に散歩ができる喜びを感じています。

つくしちゃんが猫たちと仲良く楽しそうにしている姿を見ているとき、とにかく暮らしの中に犬がいるということが、幸せでたまりません」

やっぱり犬と生きていくことは素晴らしいーーつくしちゃんが、それを教えてくれたのです。

これからたくさん、『つくしはじめて物語』を作ろうね

山崎さんのもとへ、幸せを運んできてくれたつくしちゃん。そんなつくしちゃんに、あらためて伝えたいことを聞いてみました。

「つくしちゃん、我が家に新しい風を運んでくれて本当にありがとう。これからたくさんの『つくしはじめて物語』を作っていこうね。

そして物語を重ね、私たちも共に成長していけたらそんな幸せなことはありません。毎日楽しく穏やかに、くろ美ちゃん、もんちゃんと共に笑顔で過ごそうね」