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10年後の願い「穴澤賢の犬のはなし」

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10年後の願い

少し前に47歳になった。そこでふと「10年前、俺は何をしていたっけ?」と考えてみたのだが、そういえばフリーランスのライターになったのが37歳だった。かなり遅いがライターを目指していたわけでも、フリーになりたかったわけでもなく、様々な成り行きでそうなった。
(※興味のある方は拙著「ひとりと一匹」を参照してみてください)

当時は渋谷区初台の1DKで富士丸と暮らしていて、なんとか食ってはいけるくらいの仕事があり、それをひたすらこなしていた。しかしもっとしっかり稼いでお金を貯めて、富士丸と山に移住しようと奮闘していた、と思う。運良くその連載企画が起ち上がり、実現に向けて動き出した(原稿料以外の費用は当然ながら自腹)。そんな矢先、ある日数時間家を空けて帰宅すると、富士丸が息を引き取っていた。7才半の突然死だった。

それが2009年の10月の出来事だ。犬関連の原稿仕事はなくなり、やっていた連載もほぼすべて終わった。山への移住計画も当然中止。精神的なショックも相当ひどく、重度のペットロスになり、ほとんど何もやる気がなくなり、ろくに仕事もせず(というかやることがなかった)、ただ家にいるだけの日が続いたと思う。
(※詳しくは「またね、富士丸。」でも読んでみてね)

それでも細々と暮らしていたが、ひょんなことから大吉を迎え、また犬との暮らしがはじまった。それが2011年のことで、この連載がはじまったのは2013年3月のようだ。そこから結婚し、さらに福助を迎え、何度も引っ越して、2014年夏頃から神奈川県鎌倉市腰越に住むことになった。ライター業も署名原稿、無署名原稿に関わらず復活していたが、それ以外の仕事もするべく2015年には会社を立ち上げる。2017年には念願でもあった長野県の八ヶ岳に、ボロ山小屋も手に入れた。

そして、今年2018年の3月、階段から落ちて死にかけた。ざっと振り返っても、この10年間はこんな感じだった。正直、「いろいろありすぎだろ」と思う。でも案外みんなこんなものなのかもという気がしたので、この間友人と飲んでいるときに聞いたら「お前、いろいろありすぎだろ」と言われた。やっぱりそうなのか。

引っ越しなど、意図したことはいいのだが、まったく予測できないことも多かった。まぁ、すでに起こったことは仕方ない。そして、この先何があるのかはわからない。10年後、どうなって欲しいだろうと考えてみる。真っ先に思い浮かぶのは大吉と福助のことだ。特に大吉は、富士丸と同じ7才になった。あとどのくらい、一緒の時間を過ごせるだろう。少しでも長く、元気でいてほしい。願うのは、それくらいかもしれない。10年経っても、相変わらず無計画なままだな、と思う。

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