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@mona_kotsubumyloveさんの愛犬、フレンチ・ブルドッグのもなちゃん。
「元繁殖犬」だったもなちゃんには、ある理由によりブリーダーに飼育放棄されたという、つらい過去があります。
そんなもなちゃんが今の飼い主さんと出会い、幸せに暮らせるようになるまでを追いました。
もなちゃんの生い立ち
3才になるまで繁殖犬として生きてきたもなちゃん。「後ろ足が立たなくなったから」という理由だけで、飼育放棄されたそう。
その後、「小さな命を守る会」のボランティアの方に保護されました。
保護当時、腰から後ろ足にかけて麻痺があり、もなちゃんはまったく歩くことができなかったのだとか。しかし、献身的な治療のおかげで、走れるようになるまで回復したのです。
そしてもなちゃんは、新しい飼い主さんと出会えるのを待っていました。
先代犬が繋いでくれたような、もなちゃんとの出会い
もなちゃんと出会う前、飼い主さんのおうちには先代犬のこつぶくんがいました。こつぶくんもフレンチ・ブルドッグでした。
「当時、先代犬のこつぶを亡くして深い悲しみの中にいた私でしたが、何気なく見たもなのたった1枚の写真がとても気になり、譲渡会の日に直接会いに行きました」
会いに行くと、もなちゃんはケージの中で吠えていたそう。そんなもなちゃんを、すぐに抱っこさせてもらった飼い主さん。
「抱っこして数分、初めて会った私の腕の中でスヤスヤと眠るもなに心が震えました。その譲渡会で『家族にならせてください』と申し出て、もなは我が家の一員になったんです」
先代犬のこつぶくんも、元保護犬でした。こつぶくんが、自分と同じ保護犬・もなちゃんとの出会いを繋いでくれたのだと飼い主さんは感じたそうです。
そしてここから、もなちゃんと飼い主さんご家族の新しい生活が始まったのでした。
「家庭犬」になり、いろいろなことを経験しているもなちゃん
とても好奇心旺盛で、明るく優しい性格だというもなちゃん。
しかし、これまで繁殖犬として生きてきたもなちゃんは、もしかしたら酷い扱いを受けてきたのかもしれません。トラウマがあるのか、少し怖がりな面もあるそう。
「家庭犬となり、初めてのことばかりなので今はいろいろなことをお勉強中です。我が家に来た当初には見られなかったことですが、今は常に誰かとくっついていたい甘えん坊になりました」
飼い主さんがソファに座ると、もなちゃんはすぐに隣に来て、足の上に顎を乗せてスヤスヤ眠るのだそう。そんなもなちゃんの姿に、日々癒されていると飼い主さんは話します。
「もなはとても運動神経がいいので、家族の帰宅時やご飯の時間、お散歩に行く前にはダンスを踊るようにジャンプして、嬉しさを体全体で表現します。その明るさは、私たちの元気の源です」
遊んだり、お散歩に行ったり、人の温かさに触れたり。もなちゃんはこれまで、普通の家庭犬がすることを経験してこなかったのかもしれません。
でも今、飼い主さんご家族の優しさに触れながら、もなちゃんはいろいろなことを経験しているようです。
もなちゃんは笑顔と幸せを運んでくれた
「もなは唯一無二の存在です。もなのいない生活はもう考えられません。保護犬だった大切な先代犬を亡くし、悲しむ私たちに笑顔と幸せを運んでくれました」
「人間の勝手で何度も出産させられ、恐い経験をして。もなは、最後には物のように放棄された犬生だったのに、周りの人を幸せな気持ちにさせてくれる心の広さ、寛容さ、そして真の強さを彼女から教えてもらいました」
つらい過去があっても力強く生きているもなちゃん。そんなもなちゃんの姿から、飼い主さんもたくさんのことを教わっているそう。
そしてもなちゃんは、飼い主さんご家族にとってかけがえのない存在になりました。
「今まで本当に辛かったね。怖かったね。苦しかったね。でも、もう二度とそんな気持ちにはさせないよ。ゆっくりゆっくり共に歩んでいこうね。ずっとずっとずーっと一緒だよ! 家族になってくれてありがとう!」
飼い主さんご家族のもとで、第2の犬生を送っているもなちゃん。今のもなちゃんの表情を見れば、幸せなんだということが伝わってきます。
参照/Instagram(
@mona_kotsubumylove)
取材・文/雨宮カイ