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人も犬も気になる花粉症のこと【穴澤賢の犬のはなし】

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“カイチュウ博士”藤田教授に聞いてみた

かつて自分のお腹でサナダムシに「キヨミちゃん」という名前をつけて「飼って」いた経歴もある藤田紘一郎さんは“カイチュウ博士”として有名ですが、実は寄生虫だけでなく、免疫学の権威でもあります。

藤田教授に、人の腸のこと、犬の健康のことなど、いろいろなことを聞いてきました。

第5回 花粉症は治らないはウソ!?

穴澤:人も、最近では犬にも症状が見られますが、花粉症で悩んでいる人は多いですね。あれって治るんですかね? 本来、外敵でもなんでもない花粉に免疫が反応してしまっている過剰反応ですから。

藤田:過剰反応じゃないですよ。

穴澤:えぇ! 違うんですか? 以前、藤田教授はそうおっしゃっていましたよね? いきすぎた清潔志向で免疫が暇だから、反応しなくていい花粉を攻撃してしまうと。

藤田:そうでしたね、そう言ったほうがわかりやすいかなと思って(笑)。間違いでもないんだけど、正確には清潔志向や食事で免疫力が低下したときになるんです。今の日本人の腸内細菌の量は、戦前と比べると1/3くらいに少なくなっているんですよ。

穴澤:BCG注射を打てば、かなり改善するともおっしゃっていましたよね?

藤田:それは本当ですよ。個人が許容できる花粉の量をコップに見立てて、「花粉でいっぱいになってこぼれると花粉症になる」と。あれ、正しいとは言えないんです。花粉症だけじゃなくて、多くのアレルギーは免疫力が低下したときになるんです。BCGを打ったら必ず治るわけではないですが、6〜7割の人が良くなると思います。

穴澤:BCGを打つと良くなるのは、どういうメカニズムなんですか?

藤田:免疫システムは大きく2つに分かれていて、「Th1」と「Th2」があるんです。「Th1」がガンの抑制で、「Th2」は異物を取り除こうとする働き。アレルギーは後者が関係しているんです。

穴澤:はい、それは以前に教えてもらいました。

藤田:私は寄生虫の研究をしているときに、アレルギーを抑える物質を発見したんですよ。アトピーのネズミにその物質を打ったらきれいに治ったんです。それでこれは素晴らしい、ノーベル賞もらえる! と思ったら、ダメだったんです(笑)。

穴澤:なぜですか?

藤田:たしかに「Th2」は大きくなってアレルギーは抑えたんだけど、「Th1」が小さくなってガンになりやすい体質になっていることがわかったんです。でもBCGはどちらにも作用するから、ガン細胞も抑制しつつ、アレルギーも抑える効果があると。簡単にいうとそういうことです。

穴澤:BCGは結核菌のすり潰しでしたよね?それが両方に作用するんですか。

藤田:するんです。できればBCGは2回打った方が効果的です。1回注射してから、1カ月後にもう1回打つことで、免疫が強化されますから。

穴澤:それは昔から免疫学者の間では有名なのに、なかなか浸透しないとおっしゃっていましたよね。

藤田:そうですね。BCGがアレルギーに効果があるのは30年くらい前から言ってますし、免疫学者はだいたいみんな知ってますけど、なかなか浸透しませんね。

鍵を握るのは腸内細菌

穴澤:BCGじゃなくて、食事で花粉症をなんとかしたいとなると、何がいいですか?

藤田:腸内細菌を増やす食事がいいでしょうね。あとレンコンは炎症を抑制しますし、シソは免疫反応をあげる働きがあります。アレルギーというのは、症状としては炎症ですから。

穴澤:治るもんなんですよね、花粉症は。

藤田:そんなにすぐケロッとは治らないと思います。

穴澤:何年か、かかるんでんすか。

藤田:でも急激によくなる人はいますよ。去年まで花粉症がひどかった人に、私の言う通りのものを食べてもらって、そしたら今年は平気だというような人が結構います。

穴澤:どういう食事指導をするんですか?

藤田:なるべく糖質はやめて、添加物の入ったものは避けてもらう。そうやって腸内フローラが正常になってくると、抗体はあるんだけど、花粉を攻撃しなくなるんですね。

穴澤:なかなか治らない人もいるし、急激によくなる人もいる。その鍵を握っているのは腸内細菌であると。

藤田:そうですね。腸内環境をよくすれば治るか軽くなると私は思います。

肌の調子が悪い人はビタミンB2を

穴澤:腸内細菌のエサになるという意味では、オリゴ糖などのサプリメントを飲むのもいいんですか。

藤田:いいですよ。それと、ビタミンBを作れない人がいるんですよ。それはビタミンBを作る腸内細菌を持っていないからで、そういう人にはサプリは必要です。

穴澤:いるんですか、そういう人。

藤田:この前話したように、その人の腸に住む腸内細菌の種類は1歳半で決まりますから、その中にビタミンBを作れる腸内細菌がいなければ、一生作れません。

穴澤:それがわかる検査などがあるんですか?

藤田:肌の調子が悪いとか、よく頭痛がするとか、すぐにヘルペスができるとか、そういう人はビタミンBを飲んでみたらいいんです。ビタミンBを作れない人には、劇的に効きますから。

穴澤:そうなんですね。

藤田:サプリにも色々あって、水溶性のB群なんかはいいんですよ。多くなったらおしっこで出ますから。注意しないといけないのは、ビタミンEなどの脂溶性で、油にしか溶けないからおしっこで出ないんです。それは摂りすぎると過剰摂取になるので注意が必要です。
(つづく)

※次回は「私が糖尿病を克服した方法」

1回目の記事はこちら

2回目の記事はこちら

3回目の記事はこちら

4回目の記事はこちら



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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