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いつものやつなのに…犬が怖がる意外なもの|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.14

「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。

今回は、犬が意外なものにビビって警戒する、というお話。
犬は普段見慣れたものでも、ちょっと形が違うだけで全く別物と認識し、ビックリしてストレスを感じてしまうとか。だからこそ「犬の社会化」が大切と説いています。西川先生の愛犬たちは、何にビックリしたのでしょうか?(編集部)

雨が降っていない限りは仕事場まで、パートナードッグ2頭たちと30分ほど歩きます。
2頭とも私の横か、少し後方を、リードをゆるませながら歩きます。

先日、小さな公園の脇の歩道を歩いていたら、ゆるんでいたリードがピンと張りました。
ニオイ嗅ぎをしようと立ち止まり、リードが張ることはときどきある。でも、犬につき合わずそのまま私が歩くと気を取り直したように、すぐに犬たちはついてくる。

しかし、そのときは勝手が違った。
振り返ると1頭のしっぽが下がり腰が引けている。
明らかに前に進むことを警戒している様子です。

何を警戒していたのか

前方には、こちらを向き、公園の縁石に片足を乗せストレッチをしている人がいました。
フードつきのナイロンパーカを着ていて、前屈姿勢をとっています。フードの部分が地面に擦れるぐらいに、前側に垂れていました。
2頭の犬の1頭、鉄三郎は、人によっては警戒する。もう1頭のダップは基本人間大好き。
このとき、何かを警戒していたのは、鉄三郎ではなくダップでした。
鉄三郎が警戒せずに、ダップが警戒している。であれば、警戒している対象は人間ではないはず……。
でも、その人以外には、警戒している対象は考えられない。
その人から距離を取るように脇をどうにか通り抜けると、ダップは何もなかったようにまたしっぽを上げ、歩き始めました。
ダップが警戒していたのは、やはり「その人」だったようです。
↑警戒した対象を再現。社会化期のこれでもかという社会化のおかげで、すでにもはや警戒せず
↑警戒した対象を再現。社会化期のこれでもかという社会化のおかげで、すでにもはや警戒せず

物体への理解の仕方が我々とは違う

そういえば、過去にこんなことがありました。
社会化期を終えた頃だったかと記憶しています。あるとき道端にある、ある物体を警戒したのです。
その物体とは、ゴミの収集場所でよく見かける、あのネット。
ゴミ置場でゴミにかかっているネット、くしゃくしゃな状態で放置されているネットは、全く気にしないことを確認していました。

それがなぜ、道端にあるゴミのネットに警戒をしたのか。
実はそのネット、A4のコピー用紙2枚分ぐらいの大きさに、きれいに折りたたまれていたのです。
これは、ゴミ置場のそれまでのネットと道端できれいに折りたたまれていたネットは、同じものではないと判断したということでしょう。

我々は「あのネットが折りたたまれているだけ」とすぐに理解しますが、犬はすぐにはそう理解できない、ようです。
↑その昔、折り畳まれていたこんなネットに警戒。その時も、数分で慣れましたけどね
↑その昔、折り畳まれていたこんなネットに警戒。その時も、数分で慣れましたけどね

社会化期は終わりがあるが、社会化は一生続く

ストレッチをしていた人の話に戻すと、私は「ナイロンパーカを着た人が前かがみになっているだけ」と思ったわけですが、ダップにはそうは思えなかった。未知の得体の知れない何かに見えたのだろう、ということです。

どんなに十分な社会化を社会化期に行っても、子犬の時期に寿命を全うするまでに遭遇するであろう、すべての対象に慣らすことは不可能です。
社会化期には終わりがあるが、社会化は一生続けるべきことなのです。

え? ところで鉄三郎はなぜ警戒しなかったのかって?
鉄三郎には、彼が苦手とする一部の「人たち」、には見えなかったということでしょうね。
警戒するといっても、犬によって対象が異なる。
生まれも違えば、(幼少時の)育ちも違う。それぞれ個性がある。
犬って本当に面白い存在ですね。
文/西川文二
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『イヌのホンネ』(小学館新書)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!柴犬ぐらし』(西東社)など。愛犬はダップくん(14才)、鉄三郎くん(10才)ともにオス/ミックス。
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