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ポジティブな犬とネガティブな犬がいる|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.21

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「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回は、犬の育て方によって、ポジティブマインドを持つ犬と、ネガティブマインドを持つ犬に分かれてしまうというお話。気づかぬうちに、犬をネガティブマインドにしてしまう接し方・育て方を、案外やってしまっているかも!?(編集部)


昨年の「脳の世紀シンポジウム」(編集部注:ヒトの脳科学研究の団体であるNPO「脳の世紀推進会議」が開催するシンポジウム)のテーマは、「運動/スポーツと脳」でした。
興味深い話がいろいろありましたが、ポジティブなモチベーションとネガティブなモチベーションに関する話もそのひとつ。
記録が伸びれば報酬が得られる。それに対して、記録が伸びなければ、罰金などの罰則が課せられる。どちらが、いい結果を残せるか。という、お話。
おそらく前者だろうな、と想像するわけですが、それが脳科学的にもそのとおりと示されていました。
なんで、こんな話をし始めたかと言うと、前回のクリッカートレーニングの原稿をアップしたあとに、この脳の話がふっと思い出されたからです。

ポジティブマインドとは

一時的なものではなく常日頃ポジティブなモチベーションが優位な心理状態、私はこれを「ポジティブマインド」、逆にネガティブなモチベーションが優位なのを「ネガティブマインド」と呼んでいます。
ポジティブマインドの犬は、何かしましょうか? 今度はどれをやりましょうか? といった感じで、期待を持った表情を飼い主に示します。
何か行動を起こすといいことが起きる。いいことが起きる行動は何かを、積極的に考えるので、新しい行動も教えやすくなります。
それに対して、ネガティブマインドの犬は、何か行動を起こすと嫌ことが起きる、罰せられないためにはどうするか、をまずは考えるようになります。

ポジティブマインドって、ネットで検索したら犬用語ではなく結構出てきました。前向き思考的な意味で

ネガティブマインドが強いと

ネガティブマインドを強く持っていた犬の話をしましょう。
その犬は、飼い主に徹底的に叱られて育てられ、訓練所で服従訓練を受けて帰ってきた犬でした。
命令には従う。しかし、命令されたこと以外はやらない。勝手なことをするとえらい目に合うことを嫌というほど体験してきた結果です。
その犬は、家から5分ほど離れた特定の場所で排泄をする習慣が出来上がっていました。しかし、とある事情で、室内トイレを教える必要が出てきた。
ポジティブマインドを有している犬なら、クレートに待機させおしっこを膀胱に溜めさせ、ある程度溜まった時点で室内トイレへ連れていき、そこで排泄をしたら報酬を与える。この方法で、それほど時間がかからずに室内トイレを教えることができます。
でもその犬はそうは行きません。室内で排泄なんかしたら、とんでもないことが起きる。なんと48時間排泄を我慢したのです。しかも、室内で排泄をしたから叱られると思ったのでしょう。報酬のフードを口にすることもできなかったのです。

ポジティブマインドの犬は、「次は何をします?」といった感じで飼い主をよく見るようになります

ポジティブマインドの犬に育てるには

クリッカートレーニングは、好ましい行動に対して報酬が出てくる、それだけの仕組み。好ましくない行動を叱ることはありません。ポジティブマインドを養うには最適です。
であれば、叱ることを排除し、結果的にいいことが起きた行動の頻度を高める行動原則のみを用いて、好ましい行動を次々に教えていく。これらができれば、クリッカートレーニングを用いなくとも、ポジティブマインドは形成できる。
ところで、そもそも何で「脳の世紀シンポジウム」なるものに、私は出向くのか? と気になる方もおられるかと。
それはですね、人間と犬はどこが一緒で何が違うか、ってことを知るヒントに多々出会えるからなんですね。
そのヒントを得られることが、私にとっての報酬となっている。そう、ポジティブなモチベーションによるところのものなのですね。

文/西川文二
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『イヌのホンネ』(小学館新書)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!柴犬ぐらし』(西東社)など。愛犬はダップくん(14才)、鉄三郎くん(10才)ともにオス/ミックス。

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