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犬の「しつけ」は叱ったり、まして虐待ではない|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.22

「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回は、「犬のしつけ」に換わる言葉を考えてみたお話。本来しつけは、犬と飼い主と社会を幸せにするために行うのですが、「犬のしつけ=叱る」というネガティブなイメージが、大勢の中に刷り込まれてしまっています。よりポジティブで幸せ感あふれるネーミングを、西川先生が提案します!(編集部)

「しつけの一環でやった」
よく子どもの虐待のニュース報道などで、親たちが口にする言葉です。
ブリタニカ国際大百科事典小項目事典によれば、しつけとは「社会生活に適応するために望ましい生活習慣を身につけさせること」、と出ています。
ということは、しつけができていないことは、イコール社会生活に適応できないことを意味する。
言い換えれば、しつけとはその子の将来を不幸なものにしないために必要なこと。
虐待事件の被害者の子どもは、不幸そのものです。
不幸せにしないために存在する「しつけ」、その結果として不幸を招く。
なんとも矛盾した話です。

「しつけ」イコール叱ること、が刷り込まれている

なぜ「しつけ」の名の下で、虐待が行われるのか?
それは、「しつけ」イコール「叱ること」という刷り込みが強くなされているからでしょう。
犬のしつけも同様です。
犬のしつけとは、その犬を将来不幸せにしないために、必要なこと。
悲しいかな、リードをぐいっと引っ張り首にショックを与える、手で犬の頭やお尻を叩く、そうした姿を今でも街なかでときどき目にします。
しつけの一環と答えるのでしょうね、そうした行為を行っている飼い主たちは。
犬のしつけとは、人間社会のさまざまなモノ・コトに慣らし、好ましい行動をたくさん教えてあげること。それも、叱ることを排除して・・・なんですけどね

「犬のしつけ」に換わる言葉はないものか

私が家庭犬しつけインストラクターの認定を受けているJAHAの活動理念は、人と動物との共生です。
犬も幸せ飼い主家族、周囲の人たちも幸せ。
その共生社会の実現のためには、「犬のしつけ」は不可欠です。
しかし、しつけとは厳しいもの、犬にとって可愛そうなもの、といったネガティブなイメージを抱く飼い主たちがいる。
すでに20年以上にわたってこの仕事をしていますが、そのネガティブイメージを払拭するのは、なんとも難しい。
ならば、「しつけ」に換わる、別のいい言葉を見つければいいのではないでしょうか。
「しつけ」改め「幸育」。人間の場合も、学校で行うのが「教育」で、家庭で行うのは「幸育」とすれば、幼児虐待も減るのではと・・・

「幸育」ってのは、どうでしょう

犬のしつけとは、飼い主が行う犬への教育ともいえるでしょう。
であるのならば、「育」の字をいただいて、「○育」とするのはどうでしょうか。
「犬のしつけ」をこれからは「犬の幸育」と呼ぶ。
犬も幸せ飼い主、周囲の人たちも幸せ、そうした社会の実現のために、不可欠な事柄。
自発的なアイコンタクトを飼い主に向ける犬、そうした関係にある犬と人に幸せホルモンのオキシトシンが増える。そして、そうした関係を育むために必要な事柄。
「幸育」と言い換えるのは、的を射ている、そう思いませんか。
念のため、「幸育」って言葉、どこかで使われてないかって、ネットで調べてみました。
すると出ていました、人名として。「ゆきなり」と読むそうな。
もっとも、私の提案の「幸育」の読みは「こういく」です。
「犬のしつけ」あらため「犬の幸育(こういく)」。
どうです皆さん、本誌「いぬのきもち」の編集に携わっている方々も含め、この言い換え、良くないですかね。
文/西川文二
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
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