「犬は飼い主に似る」ってホントなの？見た目や性格、行動は？　獣医師の見解を聞いた

「犬は飼い主に似る」という話を聞いたことのある人も多いと思いますが、みなさんはこれについてどう思いますか？

約4割の飼い主さんが、愛犬が自分に似てきたなと感じている！

いぬのきもちWEB MAGAZINE　「犬飼いあるある」に関するアンケートvol.07　400件の回答

今回いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん400名に「愛犬が『自分（＝飼い主さん）に似てきたな』と感じることがあるか」どうか、アンケート調査を実施しました。その結果、約4割の飼い主さんがそう感じていることが明らかに。

では、愛犬がどのように自分に似てきたと思うのか…飼い主さんたちにお話を聞いてみました！

しぐさ・行動など、やることが似ている！

まずは、しぐさ・行動など、やることが似ていると感じている人がいるようです。

・「散歩をしているときに近所のおばさんから歩き方がそっくりと言われたことがある」

・「寝相の悪さ。私はよくベッドから落ちるのですが、ペットも犬用ベッドから落ちてる。寝言をハッキリ言う私に似て、飼い犬の寝言はかなりデカイ」

・「あくびをするタイミング。ごはん食べて眠くなったり、ホッと一息ついたときに顔を見合わすことがあり、一緒にあくびをしていることが」

・「日中の時間の過ごし方、よく周りの人にしぐさが似ていると言われます」

・「ゴロゴロしながらTVを観る」

・「私のうたた寝タイムに一緒に寝たり、あくびのタイミングがよく合うトコかな笑」

・「同じタイミングで二度寝三度寝」

・「驚いたときのリアクションが自分に似てきたなぁと思います」

性格が似ている！

愛犬の性格が自分に似てきたなと感じている人もいました。

・「美味しいもの食べると顔に出る。飽き性」

・「マイペースでツンデレな感じ（笑）」

・「気が短くてせっかちです。ごはんとか散歩などの要求は鼻を鳴らして催促します」

・「自分の思い通りにならないと怒るところが似ているなと思う」

・「都合の悪いことは聞こえないフリやわからないフリで争いを避けるようなとき」

・「私がものぐさなので、寝転がりながらいろいろやるんですが、愛犬も寝そべりながらお水飲んだりしていたとき……」

・「猫みたいな性格。ツンデレな態度。暇だと一日中でも寝てしまうところ」

・「外面がいいところ」

・「ちょっと面倒くさがりやになったと思います」

顔が似てきた！

なかには、顔が似てきたという声も！　自分ではわからなかったけれど、周りの人に言われて「そうなのかも？」と思った人もいるようですね。

・「飼い始めの頃はキリッとした顔だった愛犬がだんだんと、ヘラヘラした顔の犬になってきて不思議に思ってましたが、周りに『顔が飼い主に激似』『犬が飼い主に寄せてきた』と言われて、私に似てきてしまったのだと思いました（自分では似てないと思うんですけどね…）」

・「表情。よく目が合うので互いに微笑み合い、結果笑顔が似てきましたw」

・「表情やしぐさ。愛犬を抱っこして店の品物を見ていたら、店員さんにそっくりですねといろいろな場所で言われます」

・「まん丸の顔」

・「何か言いたいときの顔がそっくり」

・「顔や雰囲気が、よく似てると言われます」

・「自分ではあまり思わないが、他人から顔が似ているとよく言われる（笑）」

迎え入れたときから似ていた！

また、似てきたというより「最初からそっくりだった」というような声もありました。

・「似てきたというか、性格そのものが自分に似てるなと思ってた矢先、母親に『あんたにそっくり！』と言われてしまった」

・「似てきた、と言うよりは最初から『人見知り』なところがそっくりでした。私が選んで家族に迎えた2匹の愛犬は、2匹とも人見知りです」

【獣医師が解説】犬は飼い主さんに似るってホントなの？

見た目や性格、しぐさや行動など、「愛犬が自分に似てきたな」と感じている人がいるようですが、犬が飼い主さんに似てくるって本当なのでしょうか…？

この気になる疑問について、いぬのきもち獣医師相談室の先生にお話を伺ってみました！

ーー「愛犬がだんだん自分に似てきたようだ」、あるいは「はじめから似ていた」と感じる飼い主さんがいると、アンケート調査でわかりました。実際に、犬が飼い主さんの行動やしぐさ、顔つきなど、似てくるということはあるのでしょうか？　

いぬのきもち獣医師相談室の獣医師（以下、獣医師）：
「そうですね。まず、人は自分と似ているものを好んだり、惹かれたり、親近感や安心感を抱くということがあるといいますよね。似た顔、似た性格、似た素性に引き寄せられるのでしょう。

そのため、愛犬と飼い主さんを比べて見たときに、『顔がそっくり』『性格が似ている』『同じような体質』だと思うことはありますね。

また、犬は誰かの真似をする生き物です。母犬やきょうだい犬、同居犬の行動を真似ますし、近くで一緒に生活するのが人であれば、飼い主さんの行動を真似ます。表情のつけ方も飼い主さんの真似をしていると言われています。犬が人間のように笑って見えるようになったのは、このためです。

遊び方や寝る姿も、飼い主さんの真似をしていると思います。たとえば、飼い主さんがトンネルをくぐれば犬も一緒にくぐる、飼い主さんが枕を使えば犬も枕を使う。そういう場面はよく見ますね」

ーー飼い主さんの行動だけでなく、表情のつけ方まで真似することがあるのですね！

獣医師：
「あと、100％ではないですが、性格も飼い主さんに似ることがあると感じます。たとえば、にぎやかなお家で育つと、にぎやかな犬に育ち、ゆっくりとした雰囲気のお家で育つと、ゆっくりとした雰囲気の犬になります。まったく起源が違う犬でも、同じような雰囲気になることもよく見られます。これも、犬が人間を見ているからです。

直接的に真似ていることもありますし、間接的に真似ていたりもします。たとえば、赤ちゃんを大切にしている飼い主さんを見て自分も大切にしようと学習したり、赤ちゃんは大切なものとも学習したりします」

ーー赤ちゃんのいる家庭で、愛犬が赤ちゃんのことをそばで優しく見守るような姿を見せることもありますよね。これも飼い主さんの姿を見て、真似しているのかもしれませんね。

獣医師：
「そうですね。また、犬の性格の傾向が飼い主さんに似ると、負担になる臓器も似てくることがあります。病は気から、ということでしょうね。

それから、飼い主さんと犬が同じ生活圏で暮らしていて、寒い・暑いといった条件も同じことから、同じような病気や症状なのかなと思うこともあります。たとえば、お腹の弱い飼い主さんが『私と同じでこのコもお腹が弱いの』とおっしゃっていたりしますね」