犬が好き
UP DATE
運命的な出来事の連続で、野犬の子犬と家族に→2年半が経過した今の「成長ぶり」に驚き!

先代犬・モコちゃんとの別れ

悲しみもあるけれど、モコちゃんと歩んできた日々の中で、犬と暮らすことの素晴らしさを知ることができた。それは、モコちゃんが残してくれたかけがえのないもの。
モコちゃんが天国へ旅立ってから2週間ほど経ったころ、高橋さんはふと里親募集サイトを覗いてみることに。モコちゃんと暮らしているときから、もし次に犬を飼うときは保護犬のコを迎えようと考えていたのでした。
里親募集で気になるコを発見 でも、問題が……
「この子犬に会ってみたい」と思ったけれど、大きな問題が。高橋さんは神奈川県在住なのですが、次郎ちゃんがいる保護施設は香川県で、募集エリア対象外だったのです。
それでも、高橋さんは次郎ちゃんの様子を毎日チェックしていました。ほかの人が問い合わせをしている状況でも、対象エリア外でも、どうしても次郎ちゃんのことが気になってしまう…高橋さんはそのことを家族に話してみると、驚くことが起こるのでした。
高橋さんの娘さんも、次郎ちゃんのことが気になっていた!
「チェックし始めて1週間が経過したころでした。家族に香川の気になる子犬がいることを話したところ、まさかまさか……我が家の娘(取材当時:24歳)もまったく同じ子犬が気になって、毎日チェックしていたようで。
娘も募集エリアが対象外だとわかっていても、『香川に迎えに行こう! 我が家が香川に引っ越して、家族に迎えよう!』『本当に募集に申し込もうよ!』と」
家族の強い思いが奇跡を起こす
「関東にもたくさんの里親募集の子犬がいるけれど、なぜ遠く離れた地にいるこの子犬なのか。家族構成や家庭環境など、20分くらい話をしました」
人への警戒心が強い次郎ちゃんのために心がけたこと
「保護犬にも、飼育放棄・飼育困難で手放されるコもいれば、野犬が保護施設に収容されるケースがあると思いますが、次郎ちゃんは野犬の子犬(5匹兄弟姉妹)で生後2カ月程度で収容されていました。
赤ちゃんとはいえ、もともと人との関わりがない環境で過ごしていたので、私たちの想像以上に警戒心が強く、人間環境のあらゆる物、音、動きにとても怖がりました」
「訓練は進行形ですが、いまでは横浜で人が多い人気スポットの山下公園、赤レンガ倉庫あたりも、なんとか歩けるようになってきました」
次郎ちゃんの存在が、ペットロスを立ち直らせてくれた
「君と出会えて本当に良かった。君と家族になれてとても幸せ。我が家にやって来てくれて、先代犬とのお別れから立ち直らせてくれてありがとう。
次郎ちゃんと一緒に過ごせる時間は無限じゃないけれど、次郎ちゃんが旅立つとき、我が家の家族の一員になって良かったと思える犬生を過ごさせてあげたいですね」
【次郎ちゃんのその後に迫る】家族に迎えて約2年半が経過した今、どんな日常を送っているのかを聞いた
次郎ちゃんの成長ぶりは?
「次郎ちゃんは我が家に来てスクスクではなく、筍のようにズンズン成長しました。迎えたときは体重が5.2kgだったのが、今では22kgもあります」
「社会に順応させるため、我が家に来て半年が経過した2018年9月頃より、犬のしつけ教室に通わせています。
それまでは『待て』『お座り』『伏せ』『お手・おかわり』はできていましたが、しつけ教室では座っている親の私たちから離れて、2m先の先生のところへおやつをもらいに行くことからスタート。たった2mの距離が長かったことを思い出します」
「しつけ教室には月に1〜2回の頻度で通っていますが、飼い主と愛犬が目を合わせることの大切さや、散歩時のリードの持ち方や愛犬との距離感、飼い主が椅子に座ったときに足元で伏せをさせて待機させることなど、さまざまなことを共に学びました。
教室に通い始めてから、日々のお散歩で会う人たちに近寄って撫でてもらったり、おやつをもらったりなど、いろんな人とコミュニケーションがとれるようになってきました。怖がりな性格だった次郎ちゃんが、家族以外の人と遊ぶことも楽しいと感じるようになったようです」
「次郎ちゃんの心身は大きく成長しました。野犬のコの成長を見守ってきて思うことは、飼い主に慎重さがなくてはいけないけれど、あえて『野犬のコ』と区別する必要はなく、真正面から向き合えばちゃんと心は通じるということを学びました」
「次郎ちゃんは先代犬のモコと犬種・大きさはまったく異なりますが、ドライブが好きなことや、我が家の2階の寝室がお気に入りなことなど、成長していくにつれモコと本当によく似ていると感じます。
ビビリ屋さん度合いはモコよりも次郎ちゃんのほうが上ですが、家の中でも外でもモコを感じ、次郎ちゃんを見ていると『背中のジッパーを下げると中にモコが入っているのかも…』と思うこともありますね」
家族にとって、次郎ちゃんは太陽のような存在
「1年前からネザーランド・ドワーフという種類のうさぎの『小次郎』が家族に加わりました。次郎ちゃんの相棒として一緒に出かけたりもしています。次郎と小次郎の珍道中のような感じですね」
「先代犬のモコがそうであったように、次郎ちゃんも完全に我が家の太陽のような存在です。朝起きて何気ない日常も、疲れて帰った深夜も、しっぽフリフリ最高の笑顔で迎えてくれると疲れも吹き飛び、明日への力が湧いてきます。
春夏秋冬、季節ごとの風景・木々や草花と次郎ちゃんの写真を撮り続けていますが、次郎ちゃんがいてくれることで、自然と触れ合う楽しさや出かけようという活力がみなぎってきます。そのおかげで、私たち夫婦の体力向上・健康維持にも大きく貢献してくれていると思います。これが犬と暮らす楽しさ魅力だと思いますね」
取材・文・構成/雨宮カイ
UP DATE