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「この2頭を離してはいけない」と迎えた2頭の保護犬。シニア犬と子犬、お互いの絆を感じる日々を送っていた

犬を飼おうと思ったとき、「保護犬を家族に迎える」という選択肢もあります。

仲良しなマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真左から)ニコラちゃん、マロンちゃん
@maron.nicola.love
Instagramユーザーの@maron.nicola.loveさんは、2020年5月22日に2頭の保護犬を家族に迎えました。マロンちゃん(♀・推定11才)とニコラちゃん(♀・推定1才)です。

保護犬を迎え入れるにあたり、飼い主さんにはある思いがあったといいます。いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、2頭との出会いのエピソードなどについて、飼い主さんにお話を聞きました。

コロナ禍で在宅時間が増えたときに、飼い主さんにある思いが芽生えた

捕獲された当時のニコラちゃん
捕獲された当時のニコラちゃん
@maron.nicola.love
動物好きで、これまでさまざまな動物と暮らしてきたという飼い主さんご家族。コロナ禍で在宅時間が長くなったことを機に、「じっくり命と向き合い、共に成長できる機会を得たい」と考えるように。そして、家族で「保護犬を家に迎えよう」という話になったのだそうです。

家に迎えるコを探し始めるもなかなかご縁がなかったそうですが、インターネットの保護犬サイトを通して、個人で犬の保護活動をしている方と知り合うことに。その方から、ニコラちゃんを紹介してもらったのだそうです。

野犬の子として生まれたニコラちゃん

ニコラちゃん
ニコラちゃん
@maron.nicola.love
宮古島で野犬の子として生まれたニコラちゃん。捕獲されて保健所に収容されていたところを現地の保護団体が引き出し、いろいろな方の協力を経て、保護主さんのところまでやってきたようでした。


飼い主さん:
「ニコラの写真を見たときに、『このコだ!!』と強く惹かれたんです。でも、ニコラはお見合い時にお漏らしをしてしまう程のビビリさんだったので、すぐに譲渡してもらうことが難しい状況でした。まだ人にも慣れず、初めて見聞きする物や音に対して、あまりにも敏感でしたね」

怖がりなニコラちゃんでしたが、保護主さんが預かっているほかの犬で慕っているコがいたのだそう。それが、シニア犬のマロンちゃんでした。

水路の中で四肢が水に浸かった状態で発見されたマロンちゃん

譲渡前のマロンちゃん
譲渡前のマロンちゃん
@maron.nicola.love
マロンちゃんは昨年の2月に、栃木県で保護されたコでした。当時、水路の中で四肢が水に浸かっていた状態で発見されたのだそうです。そのとき、首輪とリードが装着されたままだったのだとか。

人と暮らしていた様子だったけれど、飼い主さんは現れず、保健所に収容されることに。そんなマロンちゃんを地域の保護団体の方が引き出し、保護主さんの家にやってきたのでした。

2頭一緒だったら、安心して暮らせるかもしれないと思った

マロンちゃん
マロンちゃん
@maron.nicola.love
飼い主さん:
「マロンは保護主さま宅では、ゆっくり休んでもらうために、子犬たちとは別の個室でのんびり過ごしていました。でも、ニコラが隙を見てマロンの部屋に入り込み、同じベッドで寝ていたそうです。その話を聞いて、この2頭を引き離したら、ニコラがパニックになるかもしれないと感じました」

保護主さん宅でのマロンちゃんとニコラちゃん
保護主さん宅でのマロンちゃんとニコラちゃん。ニコラちゃんは、「フィフィ」と仮の名前をつけてもらっていたそう。
@maron.nicola.love
マロンちゃんのことを「母親」だと思い、信頼しているニコラちゃん。2頭が一緒だったら、新しい環境でも安心して暮らせるのではないかと思った飼い主さんは、保護主さんに「マロンちゃんとニコラちゃん一緒の譲渡は可能かどうか」を尋ねてみたのだそう。

実際、子犬とシニア犬の生活がどうなるか不安があったものの、保護主さんに「あの2頭なら大丈夫です」と背中を押してもらい、勇気が持てたといいます。

寄り添って眠るマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真手前から)マロンちゃん、ニコラちゃん
@maron.nicola.love
こうして、2頭を幸せにしたいと思ったご家族は、2020年5月22日に家族に迎え、新たな生活をスタートさせたのでした。

2頭は本当の親子のような関係性

仲良しなマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真左から)マロンちゃん、ニコラちゃん
@maron.nicola.love
穏やかで優しく、人の言葉が理解できるのではないかと思うほど賢いというマロンちゃん。

ニコラちゃんをそばで見守ったり、手本となる行動を見せるマロンちゃんの姿は、一緒にニコラちゃんを育てていると思えるほどに頼もしいのだそう。まるで「師範のような存在」だと、飼い主さんはいいます。

ニコラちゃんは優しいマロンちゃんのことが大好きで、常にマロンちゃんを見て行動を共にしているようです。

マロンちゃんを見つめるニコラちゃん
(写真左から)マロンちゃん、ニコラちゃん
@maron.nicola.love
一緒に暮らして感じる2頭の魅力について、飼い主さんはこのように話します。

飼い主さん:
「マロンはニコラの母親のような存在ですが、じつは甘えん坊で急にゴロンとお腹を見せてナデナデを要求したり、顔や手足を舐めて愛情表現をしてくれます。

ニコラは小柄で、我が家のアイドル的存在。家族以外にはほとんど撫でることもさせてくれませんが、一度心を開くと甘えん坊で、体をすり寄せたり手足を舐めたりしてくれますね」


2頭の嬉しい変化を実感する日々

お散歩するマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真左から)マロンちゃん、ニコラちゃん
@maron.nicola.love
2頭を家族に迎え、朝5時から活動して、夜は早めに就寝をするようになったご家族。毎日がハードスケジュールだそうですが、1日2回の散歩のおかげで健康的になり、食事もなんでもおいしく感じられるようになったそう。

2頭と家族になってもうすぐ1年が経過しますが、飼い主さんは一緒に暮らすなかで、2頭に嬉しい変化が見られたと振り返ります。

ドッグランを楽しむマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真左から)マロンちゃん、ニコラちゃん
@maron.nicola.love
飼い主さん:
「今まではカーテン越しに外を監視するのはマロンの役目でしたが、最近はニコラも真似をして見るようになり、内から外の世界へ興味を広げられるようになりました。

マロンは水路にはまった状態で保護されたため、保護当初は自力で立つこともままならない状態でしたが、刺激があるニコラと生活することで若返り、今では1時間以上歩いたり走ることもできるようになりましたね」

ドッグランを楽しむニコラちゃん、マロンちゃん
(写真奥から)ニコラちゃん、マロンちゃん
@maron.nicola.love
車が大の苦手だったマロンちゃんは、毎週のようにドッグランへ出かけて慣れさせるようにしているそう。また、お風呂も苦手だったけれど、シャワーではなくお湯をためて浸かるようにしたところ、少しずつ慣れてきて激しく鳴きわめくことはなくなったそうです。

「シニアのワンちゃんでも、トラウマが少しずつ改善されていることを実感できて大きな喜びを感じている」とも、飼い主さんは話していました。

ソファでくつろぐマロンちゃん、ニコラちゃん
(写真奥から)ニコラちゃん、マロンちゃん
@maron.nicola.love
マロンちゃん、ニコラちゃんとの「これから」について、飼い主さんはこのように思いを話します。


飼い主さん:
我が家にきてよかったと思ってもらえるように、これからも常に2頭を観察し声をかけて、安心安全に繋がる毎日を共に過ごしていきたいです。また、シニア犬のマロンの長寿を目指して、しっかり健康維持に努めたいと思います」


写真提供・取材協力/@maron.nicola.loveさん
取材・文/雨宮カイ
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