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「この2頭を離してはいけない」と迎えた2頭の保護犬。シニア犬と子犬、お互いの絆を感じる日々を送っていた

保護犬を迎え入れるにあたり、飼い主さんにはある思いがあったといいます。いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、2頭との出会いのエピソードなどについて、飼い主さんにお話を聞きました。
コロナ禍で在宅時間が増えたときに、飼い主さんにある思いが芽生えた

家に迎えるコを探し始めるもなかなかご縁がなかったそうですが、インターネットの保護犬サイトを通して、個人で犬の保護活動をしている方と知り合うことに。その方から、ニコラちゃんを紹介してもらったのだそうです。
野犬の子として生まれたニコラちゃん

飼い主さん:
「ニコラの写真を見たときに、『このコだ!!』と強く惹かれたんです。でも、ニコラはお見合い時にお漏らしをしてしまう程のビビリさんだったので、すぐに譲渡してもらうことが難しい状況でした。まだ人にも慣れず、初めて見聞きする物や音に対して、あまりにも敏感でしたね」
水路の中で四肢が水に浸かった状態で発見されたマロンちゃん

人と暮らしていた様子だったけれど、飼い主さんは現れず、保健所に収容されることに。そんなマロンちゃんを地域の保護団体の方が引き出し、保護主さんの家にやってきたのでした。
2頭一緒だったら、安心して暮らせるかもしれないと思った

「マロンは保護主さま宅では、ゆっくり休んでもらうために、子犬たちとは別の個室でのんびり過ごしていました。でも、ニコラが隙を見てマロンの部屋に入り込み、同じベッドで寝ていたそうです。その話を聞いて、この2頭を引き離したら、ニコラがパニックになるかもしれないと感じました」

実際、子犬とシニア犬の生活がどうなるか不安があったものの、保護主さんに「あの2頭なら大丈夫です」と背中を押してもらい、勇気が持てたといいます。

2頭は本当の親子のような関係性

ニコラちゃんをそばで見守ったり、手本となる行動を見せるマロンちゃんの姿は、一緒にニコラちゃんを育てていると思えるほどに頼もしいのだそう。まるで「師範のような存在」だと、飼い主さんはいいます。
ニコラちゃんは優しいマロンちゃんのことが大好きで、常にマロンちゃんを見て行動を共にしているようです。

「マロンはニコラの母親のような存在ですが、じつは甘えん坊で急にゴロンとお腹を見せてナデナデを要求したり、顔や手足を舐めて愛情表現をしてくれます。
ニコラは小柄で、我が家のアイドル的存在。家族以外にはほとんど撫でることもさせてくれませんが、一度心を開くと甘えん坊で、体をすり寄せたり手足を舐めたりしてくれますね」
2頭の嬉しい変化を実感する日々

2頭と家族になってもうすぐ1年が経過しますが、飼い主さんは一緒に暮らすなかで、2頭に嬉しい変化が見られたと振り返ります。

「今まではカーテン越しに外を監視するのはマロンの役目でしたが、最近はニコラも真似をして見るようになり、内から外の世界へ興味を広げられるようになりました。
マロンは水路にはまった状態で保護されたため、保護当初は自力で立つこともままならない状態でしたが、刺激があるニコラと生活することで若返り、今では1時間以上歩いたり走ることもできるようになりましたね」

「シニアのワンちゃんでも、トラウマが少しずつ改善されていることを実感できて大きな喜びを感じている」とも、飼い主さんは話していました。

飼い主さん:
「我が家にきてよかったと思ってもらえるように、これからも常に2頭を観察し声をかけて、安心安全に繋がる毎日を共に過ごしていきたいです。また、シニア犬のマロンの長寿を目指して、しっかり健康維持に努めたいと思います」
取材・文/雨宮カイ
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