犬が好き
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元飼い主の犬アレルギー発覚で飼育放棄寸前になった犬→新しい家族と出会い、幸せな日々を過ごしていた

元飼い主に犬アレルギーが発覚 同じ空間にもいられず、外飼いに……

飯村さん夫婦が胸騒ぎがする話を聞いたのは、2017年3月の終わり頃。知人が、「まだ生後5カ月だけど、放棄されそうな犬がいる」と相談してきたのでした。

そのコに触れられないばかりか、同じ空間にいることすらもできず、日中は完全に外飼い。夜だけ玄関内で寝かせていたようですが、冬の寒い時期にひと月以上もそんな環境で飼われていたといいます。
飯村さん:
「甘えたい盛りでもあろうに、人の優しさも温もりも知らないまま毎日をどんな思いで過ごしているのかと考えると、いてもたってもいられず。その週末、ぴこを連れて会いに行きました」
ぽんちゃんを家族に迎えるにあたり、不安だったことも

オスのぽんちゃんは、成長すればこれからもっと体格が大きくなることが予想されます。大きい男のコの存在をぴこちゃんが拒絶しないだろうかと、2頭を会わせるまでは不安でいっぱいだったといいます。

こうして、飼育放棄されそうだったぽんちゃんを飯村さん夫婦は引き取り、一緒に暮らすこととなったのでした。
ぽんちゃんの「ここがかわいい!」と思うところ
たとえば、想像していたよりもずっと体が大きいということ。抱っこするのも一苦労で、じゃれているだけなのに感覚的には「ぶつかり稽古」をしている感じなのだそうです。
このほかにも、いろいろな嬉しい発見があったといいます。
飯村さん:
「見せるしぐさやじゃれるときの動きは、幼さがたっぷり。この幼さとコワモテのギャップがぽんの魅力で、私たちはすっかりそれにヤラれてしまったんです」
飯村さん:
「お風呂でもトイレでも扉の前で出てくるのを待っているのですが、おもしろいのは扉が開くと、ひと足先にササッとリビングまで戻ってきて、『ボク待ってなんかいないよ』って涼しい顔をして、しらばっくれることです。待っていたところの床があたたかくなっているから、すぐバレちゃうんですけどね(笑)」
ぽんちゃんの寝顔を見て、喜びを感じる日々
飯村さん:
「私たちの横で危機感なく安心して寝ているぽんの姿を見ると、リスタートがうちでも良かったと思ってくれているのかなと、勝手に想像して喜んでいます。ぴこぽんふたりで2倍……ではなく、20倍の喜びです!」
愛に溢れた飯村さん夫婦に出会えたぽんちゃん。もう寂しく孤独な思いなく過ごしていけるのではないでしょうか。
【ぽんちゃんのその後に迫る】前回の取材後、どのような日常を送っているのかを聞いた
以前よりも表情が豊かに
飯村さん:
「体重は1kgほど増えただけですが、骨格がガッチリとして成熟した体格になりました。表情も豊かになって、大人になったなと思います。でも甘えん坊っぷりは健在で、夏でも抱っこしてアピールがすごくて。13kg超が膝上に跳び乗ってきます(笑)」
飯村さん:
「そうですね。ぽんはヤキモチ焼きで、夫が同居犬のぴこをお風呂に入れていると嫉妬してしまって、キュンキュン鳴きながら脱衣所をウロウロするんです。でもいざ自分の番になると、お風呂が嫌いだから一目散に逃げるんですけどね(笑)」
飯村さん:
「よく私たち夫婦の動きを観察していて、無駄な動きをあまりせずに先を予測して行動しているなと思います。たとえば、オフに私たちが出かける準備を始めると、玄関に行ってペットカートに自分で乗り込み、置いて行かれまいとアピールします。 食事の準備中は、欲しいと騒がずに足元でじっと待ち、盛り付けが終わると配膳場所に先回りしていますね」
——ぽんちゃんの賢さが伺えるエピソードですね!
小さな幸せが長く続いてほしい

飯村さん:
「ふたりは決して仲良しとは言い難いですが、ぽんがぴこの存在を認めているなと感じる出来事がありました。それは、ぴこに腫瘍が見つかり手術・入院をしたときのことです。
ぽんは大好きな夫を独り占めして、お散歩は自分の好きな方向へ行きたい放題。でも、おもちゃで遊んでもぴこに奪い取られないし、自分が一番にごはんを食べられるのも、いつもと違ってヘンな感じ…と思ったのでしょうか。
ぽんはひとりっ子を満喫するかと思いきや、何かいつもと違って調子が出ていないようでした。ぽんはぽんなりに、ぴこの存在を認めているんだなと思いました」
「つかず離れず、互いの存在を認めてはいるようです。イタズラするときはだいだい共犯です(笑)」
このコたちといろんなことを体験し、たくさん楽しい思い出を作っていきたい
飯村さん:
「ぴことぽん、ふたりともそばにいることが当たり前の毎日。ぽんとは一緒の枕を使って寝るんですが、ふといびきと寝息を近くに感じて目を開けると、目の前にぽんの顔がドーンとあってとても愛しく感じます。そんな小さな幸せが長く続けばいいなと思います。 我が家は何をするにも一緒。ふたりの存在が欠かせません。
いまはコロナの影響でいろいろと制限はありますが、これからもこのコたちといろんなことを体験し、たくさん楽しい思い出を作っていきたいです」
取材・文・構成/雨宮カイ
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