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病気を抱えて生まれ、のちに飼育放棄された犬→新しい家族と出会い、元気いっぱいな姿を見せていた
いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、ことねちゃんとの出会いや今の暮らしについて、飼い主さんに話を伺いました。
病気を抱えて生まれたことねちゃん。ブリーダーに飼育放棄され
そして飼い主さんは、結婚後に引っ越したことを機に、「犬を迎えよう」と夫婦で話し合うことに。「行き場をなくしたコや辛い経験をして保護されたコを迎えてあげたい」と保護団体を探し、ことねちゃんにたどり着いたのでした。
「あるブリーダーの元で生まれたことねは、両脚が膝蓋骨脱臼(パテラ)で、さらに心臓に2つの病気を抱えていました。ブリーダーに飼育放棄されてしまったところを、保護団体さんが保護してくれたんです。保護当時は痩せ細り、呼吸もやっとしているような瀕死の状態だったそうです」
飼い主さん:
「保護当時のことねは体が痩せ細っていて、ひどく怯えている様子を見せていました。でも、精一杯生きようとしている姿がとても健気で愛おしく、『どんな病気を抱えていても、このコを守るのは私たちだ』と思ったんです」
ことねちゃんは、持病があるとは感じさせないおてんば娘

飼い主さん:
「ことねは夫のことも大好きです。夫が出かけるときは足にしがみつき、帰るコールがあるとすぐに窓をのぞきに行きます。そして帰宅後は、普段あまり振らないしっぽを振って熱烈歓迎!
お帰りのチューもおやすみのチューも、『いつまでするの?』と思うほど長いです(笑) 夫も『ありがと。ありがと。もういいよ』と言いながら喜んでいて、そんな2人を見ている時間がとても大切で愛おしくて。見ている私が、もしかしたら一番幸せなんじゃないかと思うほどです」
元気いっぱいなことねちゃんをおとなしくさせるのは大変だそうですが、心臓と足にあまり負担をかけないような生活を心がけ、ご夫婦は日々ことねちゃんのことを見守っているようです。
左足の膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術を受けることに
成長とともに少しずつ悪化し、生後10カ月の頃には左足は「グレード2→グレード4」まで症状が進んでいたのだそう。獣医師に何度も相談し、骨の成長が止まる1才頃に手術をすることを提案され、ことねちゃんが1才5カ月の頃に手術をすることになったのでした。
「4時間の大手術は無事終わりました。麻酔から覚め、パニックで鳴き叫んでいたことねのことは、今でもはっきり覚えています。
目が覚めたら片足を包帯でぐるぐる巻かれ、立つことができなくて。何が起きているかわからず、不安と恐怖でいっぱいだったと思います。痛く怖い思いをさせてしまったことに申し訳ない気持ちになりましたが、同時に頑張って手術を乗り越えてくれて感謝の気持ちでいっぱいにもなりました。
入院中は何度も面会に行きましたが、日に日に元気になって行くことねを見られて、心から安心しましたね」
飼い主さん:
「ことねのためを考えて踏み切った手術ですが、元気にスムーズに歩くことねの姿を見せてもらえて、逆に幸せをもらったのは私たちのほうでした」
ことねちゃんにいろいろな経験をさせてあげたい
飼い主さん:
「心臓病とは一生の付き合いになるため、自由に力いっぱい遊ばせてあげることはできないかもしれません。ですが、走ること以外にも楽しみは見つけられると思っています。海や山など、今まで行ったことのないところへ一緒に出かけて、いろいろなものを見たり感じたりしてもらいたいです。そして、ことねの楽しんでいる姿をたくさん見せてくれたら嬉しいですね」
取材・文/雨宮カイ
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