犬と暮らす
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街中で「補助犬」に出会ったら「ぜひしてほしいこと」「気を付けること」
そんな補助犬に街中で出会ったときに、「可能ならしてほしいこと」があるといいます。
どのようなことをすれば補助犬とユーザーの力になれるのか、補助犬の育成と認定を行っている日本補助犬協会に伺いました。
補助犬とユーザーのために、私たちができることとは?
目や耳や手足など、体に障害のある人の自立と社会参加を助ける、大切なパートナーであり、ペットではありません。
補助犬は、盲導犬、聴導犬、介助犬の3種類で、適性検査やそれぞれの役割を果たすための特別な訓練を経て、法律に基づく認定を受けた犬のみを指します。
街中でこれらの補助犬を見かけたときに、可能な範囲でかまわないので、次に挙げるようなことを意識してみることで、補助犬と補助犬ユーザーの危険リスクを下げることにつながります。
無視はせず、気にかけて
補助犬とそのユーザーを見かけたら、無視をするのではなく、危険がないかどうかちょっと気にかけて、何か気になることがあれば、「お手伝いしましょうか?」とユーザーに声をかけたり、まわりに協力を求めたりしましょう。
見守る心が増えれば、誰もが暮らしやすい共生の社会の実現につながります。
たとえば、ユーザーが困っていないか気にかける
もしユーザーが立ち止まって困っている様子だったら、「何かお困りですか?」「お手伝いしましょうか?」などと声をかけて。
声をかけるときは、ユーザーの正面から顔を見て話しかけましょう。
ただしこのとき、決して補助犬には、触れたり声をかけたりしないで。
ハーネスをつかんだり、急にユーザーの手を引っ張ったりするのもやめましょう。
たとえば、危険な状況ではないか気にかける
まわりに救助を呼びかけることも重要です。
逆に安全な状態を知らせる、たとえば「青になりましたよ」などと声がけするのも助けになります。
ポイントは犬ではなく人に声がけすることです。
様子次第で、話しかけても
また、電車内や喫茶店などで、補助犬ユーザーと隣り合わせることもあることもあるかもしれません。
そんなときは、犬が“仕事状態”でなければ、「お声がけしていいですか?」と、犬ではなくユーザーに声をかけてみてもいいでしょう。
たとえば、補助犬が仕事中でなければ会話しても
ただし、犬に話しかけるのはNGです。
犬好き同士の話題が広がるかもしれません。
もちろんユーザーによっては、話したくない、放っておいてほしいという方もいます。
相手の気持ちや状況を尊重することが大切です。
たとえば、困っていたら顔を見て正面から話す
とくに盲導犬を連れた視覚障害の人は、声の主がどこにいるのかわからないと、迷ってしまうことがあります。
手引き誘導が必要かどうか、どこまで案内すればいいのか、肩、ひじなどどこを触れたらよいかは、人によって希望が異なります。
直接ユーザーに確認してみるといいでしょう。
もし困っている様子を見かけたら、積極的に声掛けを
「たとえば、自動扉ではない重いドアを声がけしながら開けてくださったり、買いたい商品に手が届かないときに取ってくださったり、耳の不自由な方には積極的に筆談などで話しかけてもらえるとうれしいです。
お手伝いの必要がなかったときも、『それならよかったです!』などとお声がけしていただけるとありがたいです」(Aさん)
正しい知識と対応法を知っていれば、障害のある方と補助犬が危険な目に遭うことを減らせます。
必要なときには声をかけながら、皆で温かく見守れる社会にしたいですね。
お話を伺った方/公益財団法人 日本補助犬協会
参考/「いぬのきもち」2022年7月号『もしも補助犬に出会ったら』
イラスト/キムラみのる
写真/小林 実
文/いぬのきもち編集室
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