冬の代表的な果物「みかん」は犬に食べさせることのできる食べ物です。では、犬にみかんを与えるとき、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?
「犬にみかんを食べさせる場合の注意点」について、いぬのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に話を聞きました。
みかんは適量であれば犬に食べさせることができる
みかんは犬に食べさせることができるフルーツで、犬の体に役立つ栄養素が豊富に含まれています。みかんに含まれる成分をそれぞれみていきましょう。
水分
みかんは可食部の約87%が水分で、犬の水分補給に役立ちます。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成、鉄分の吸収促進、解毒、ホルモン代謝のサポート、病気や老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
βカロテン
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換されて皮膚や眼、粘膜の保護、歯を作るのに役立ちます。
βクリプトキサンチン
βクリプトキサンチンは、強い抗酸化作用や肝臓機能の向上、骨粗しょう症の予防に役立ちます。また、犬の体内で必要に応じてビタミンAに変換されて、正常な視覚や皮膚、粘膜、被毛、歯を作るのに役立ちます。
カリウム
カリウムには体液の浸透圧を調整する作用があり、体内の不要な塩分の排出や血圧が高くなることを防いだり、神経の伝達や筋肉の収縮にも関わるなど、犬の体に大事なミネラルのひとつです。
犬にみかんを食べさせるときの注意点
犬にみかんを与える場合は外皮を剥き、消化しにくい薄皮や種、白い筋を取り除いて与えましょう。
みかんは水分を多く含むため、食べ過ぎると下痢を起こす可能性があります。また、みかんに含まれる果糖を多く摂取し続けると肥満にもつながるので注意が必要です。
犬に与える際のみかんの適量
犬の1日あたりのみかんの摂取目安は、カロリー上の算出では小型犬(2〜5kg)で38g〜76g、中型犬 (6〜15kg) で88g〜174g、大型犬(20〜50kg) 216g〜430gとなりますが、様子を見ながら徐々に増やすようにして最大でも1日1個を目安にするようにしましょう。
犬の年齢や健康状態によっては特定栄養素の過剰摂取につながることがあるので与えすぎないように注意してください。
みかんのタンパク質がアレルギーを起こすことがある
みかんには少量のタンパク質が含まれており、犬の免疫機能が過剰に反応すると稀にアレルギーを起こすことがあります。このため、何らかの食物アレルギーを持つ犬はみかんを与える際に注意が必要です。
また、犬のなかには柑橘系のニオイを嫌ってくしゃみをする犬もいるため、愛犬の様子をみながら少量ずつ与えるようにするとよいでしょう。
愛犬にみかんを与える際の参考にしてくださいね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・原駿太朗先生)
参考/いぬのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】犬にみかんを与えても大丈夫。みかんを食べるメリットと与え方を解説』
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください