犬が健康な体を維持するのに必要な水分が足りておらず、脱水症状の一歩手前になる“かくれ脱水”になると、病気や不調の引き金になることも。今回は、そんな犬の“かくれ脱水”について、獣医師の若山正之先生にお聞きしました。
“かくれ脱水”になりやすい犬の特徴は?
“かくれ脱水”の危険性は、年齢や体格のほか生活環境で高まります。例えば、身体機能が未発達な子犬や、加齢で内臓の機能が低下しがちなシニア犬、必要な水分量が多めな大型犬などは“かくれ脱水”の危険が高くなることが。また、運動量が少ないなどの生活環境が、“かくれ脱水”に影響することもあります。
以下の項目は、“かくれ脱水”のチェックリストです。当てはまる項目が多いほど、“かくれ脱水”の危険性が高いといわれています。
あなたの愛犬は当てはまる?“かくれ脱水”チェックリスト
- 子犬
- 超小型犬・小型犬
- 大型犬
- シニア犬
- 運動不足
- 散歩不足
- 手術をしたばかり
- オシッコの色が濃い
- ウンチがかたい
- 便秘ぎみ
- 皮膚に弾力がない
- 毛ヅヤが悪い
- 舌が白っぽい
- 鼻が乾いている
- ヨダレがねばねばしている
- 食欲不振
- 慢性疾患や持病がある
- 水入れを常に置いていない
- 愛犬の飲水量を把握していない
冬の“かくれ脱水”が怖いといわれる理由
“かくれ脱水”のリスク要因がわかったところで、ここでは、冬の“かくれ脱水”の怖さについて紹介します。
夏より気づきづらく、症状を見過ごしやすい
冬は「夏ほど注意しなくていい」と油断しやすいうえ、不調の原因が飲水量の不足にあることは気づきづらいもの。“かくれ脱水”は脱水症状になるまで明らかな症状があらわれにくく、愛犬が渇きを自覚しづらいため、飼い主さんも気づきにくいのが特徴です。症状が見過ごされてしまうことがあります。
少しの脱水でも体に悪影響が出る
犬も人も体の6~7割を水分がしめています。そのため水分が不足すると、体のバランスを崩し、健康維持に支障をきたすことも。冬は寒さから血管が収縮しやすいため、“かくれ脱水”の状態で循環不全を起こすと、臓器への負担が大きくなります。体に悪影響が出ることも考えられるでしょう。
血流の悪化は臓器に負担をかけることもある
体内の水分は血液の流れを正常に保ち、熱を全身に運ぶ働きがあります。ですが、“かくれ脱水”になって血液中の水分が減ると、血液がどろどろの状態に。血流が悪化すると臓器に酸素や栄養が届きにくくなり、心臓や腎臓、脳などの臓器に負担をかけることもあります。
皮膚トラブルの原因になる
冬の“かくれ脱水”は、皮膚が乾燥しやすく刺激に弱い状態になるため、皮膚バリアの機能が低下して皮膚トラブルの原因に。回復しないまま花粉や紫外線などの刺激を受けると、皮膚トラブルが長期化して、皮膚病の原因にもなります。
油断しがちな冬も気をつけたい、愛犬の水分摂取量。冬には夏と違うリスクがあることを忘れずに、十分な水をとって愛犬の体をケアしてあげましょう。
お話を伺った先生/若山正之先生(若山動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2026年2月号『愛犬はこの冬、水、ちゃんと飲んでますか? かくれ脱水にご注意ください』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。