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愛犬と引っ越したことがある人は半数以下!? 引っ越し時の注意点は?獣医師に聞いた
いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、犬との引っ越しに関するアンケートを実施し、飼い主さんにさまざまな体験談を伺いました。今回は、その調査結果をご紹介するとともに、引っ越しが犬に与える影響や、犬との引っ越しの注意点などについて、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生に解説していただきます。
愛犬と一緒に引っ越したことがある?
引っ越し時の交通手段は?
引っ越しにまつわるエピソード
- 「九州から東京への引っ越しだったので、フェリーで移動しました。新居に着いてからは、しばらくソファの下でじっとしていることが多かったです」
- 「転勤族なので不定期に引っ越しがあります。その際は、時間がかかっても愛犬が慣れた自家用車での引っ越しを心がけています。東京から広島への引っ越し時は1日で移動できませんでしたが、道中のSAで何度か休憩し、お散歩して遊びながら移動したので、愛犬は楽しそうにしており、引っ越し後も体調を崩さず、いつもの旅行のような感覚で新居に慣れていってくれました」
- 「家の建替えのために、家の近所(散歩コース)の借家に引っ越しました。引っ越しの翌日に散歩に行くと、散歩後は貸家ではなくやはり自分の家に。が、次の日からそんな気配はなくなり、よその家の前を通るのと同じ感じで通り過ぎて、さっさと借家に帰宅しました。まさかたった1日で自分の家が変わったことがわかるとは思わずビックリです」
引っ越し後の愛犬の様子は?
なかなか慣れてくれず大変だった
- 「兵庫県から愛知県への引っ越しで、当日は土砂降りの雨で高速道路も乗り心地が悪く、愛犬がおう吐してしまい大変でした。引っ越してからも、しばらくはトイレをしてくれず心配しました」
- 「引っ越し時に、ペットホテルを利用したり飛行機で移動したりしたためか、ストレスから食欲不振や血便などの症状が出ました。あらかじめ転居先の近辺の動物病院を確認しておいたので、すぐ受診できたことはよかったです」
- 「慣れない環境のため精神的に不安定になり、夜に鳴いたり体調不良になったりとっても心配しました。動物病院を受診して1カ月ほどで落ち着きました」
思ったよりもすぐに慣れてくれた
- 「愛犬たちは思ったよりすぐになじんでいました。フェリーでは11時間もかかりましたが、大丈夫でした」
- 「引っ越し直前や引っ越し直後は家の中が大変な状態なので、ペットホテルに預けてせっせと荷造りや荷解きをしていました。引っ越し後も前と変わらず、むしろ新しい土地でいろいろなニオイをかぎながら、楽しそうにしていました」
- 「2度の引っ越しで毎回心配しましたが、すぐに慣れて拍子抜けするくらい普通に過ごしていました」
【獣医師解説】引っ越しが犬に与える影響や引っ越し時の注意点とは?
山口先生:
「環境の変化や引っ越し最中の落ち着かない状況、長距離移動などにより、犬の心身にさまざまな影響を及ぼすことがあります。比較的見られる症状は、食欲不振、下痢やおう吐、膀胱炎のほか、落ち着かない、吠える、隠れるといった不安による行動変化などが挙げられます」
――長距離移動が必要な引っ越しのとき、飼い主さんはどのような対策をとればよいのでしょうか。
山口先生:
「ハードキャリーを使うこと、キャリーから外が見えにくくすること、そして休憩をこまめにとり、おやつや水分を与えたり、トイレを促したりすることです。
移動時間が長かったり、飛行機や新幹線などで長距離移動をしたりする場合は、抗不安薬やフェロモン製剤を使うことで、ストレスの緩和が期待できます。とくに神経質なコや怖がりの気質のあるコは、お薬の使用を積極的に検討したほうがいいケースが少なくありません。かかりつけ医に相談してみてください」
引っ越し先に慣れさせるためにできることは
山口先生:
「最初から自由に行き来できる場所が広すぎると、犬は戸惑ってしまうことがあります。新しい環境に慣れるまでは、愛犬のスペースは一部屋に限定するなどし、トイレや食餌、ベッドなどへアクセスしやすい環境にしてあげましょう。また、キャリーなどを活用し、隠れられる場所を1部屋に最低1カ所以上つくっておくことも安心につながります。引っ越し後は業者などの出入りも多くなるでしょうから、インターフォンの音量を下げておくのもいいですね」
――なかには、「愛犬がすぐに慣れた」という声も聞かれました。新しい環境にすぐに慣れるコ・慣れないコにはどのような違いがあるのでしょうか。
山口先生:
「好奇心旺盛、刺激に強い、あまり気にしないなど、どっしりと構えるコは慣れやすいでしょう。反対に、神経質、怖がり、警戒心が強いコは、新しい物事へのハードルが高く、引っ越しを苦手とする傾向があります」
犬と引っ越しするときの注意点
山口先生:
「移動で使うハードキャリーには、あらかじめ慣れさせておきましょう。中でおやつを食べさせるなどして、キャリーの中=リラックスできる場所と認識してもらうと、移動の恐怖心が和らぎます。また、愛犬のニオイのついたタオルをあらかじめ用意しておき、新居の愛犬スペースに置いておくのも安心につながるでしょう。
なお先述のとおり、もともと怖がりなコは、フェロモン製剤や抗不安薬を検討しておくことも一案です。抗不安薬に抵抗がある場合でも、フェロモン製剤は安全性が高いので使いやすいと思います。引っ越し前にかかりつけ医に相談してみてください。また、引っ越し先で通えそうな動物病院をあらかじめ調べておくことも大切です」
取材・文/長谷部サチ
※アンケートコメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
※記事の内容は2026年4月時点の情報です。
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