愛嬌のある見た目と、仕事熱心で知的な性格をしたミニチュア・シュナウザー。ドイツ語で”口ひげ”を意味する犬種名の通り、ひげを伸ばすカットスタイルが一般的でしたが、最近では口まわりがすっきりした犬も多いです。
今回はミニチュア・シュナウザーの特徴について、動物ジャーナリストの藤原尚太郎先生にお話を伺いました。
シュナウザー3種の違い
シュナウザーは体の大きさで、「ミニチュア」「スタンダード」「ジャイアント」の3つの犬種に分かれています。それぞれ異なる犬種を組み合わせて生まれたため、体格のほかに性格にも差がありますが、どの犬種も飼い主さんに忠実で賢く、明るいという点は共通しています。
「ミニチュア」のルーツ
ミニチュア・シュナウザーは、15世紀ごろから存在していたスタンダード・シュナウザーを基礎に、ミニチュア・ピンシャーやアーフェン・ピンシャー、トイ・プードルの血を導入して作出されたと考えられています。ネズミの駆除を目的に育てられていました。
見た目や体格の特徴
ミニチュア・シュナウザーの見た目や体格には、そのルーツと与えられた使役からこんな特徴があります。
《”哲学者”のような眉》
顔の被毛にはボリュームがあり、ユニークなカラーをしています。そのため哲学者を彷彿させる表情を見せてくれるでしょう。
《農場で働いていた頑丈な体》
万能な農場の犬となるように生まれた犬なので、体はガッシリと引き締まっています。
《抜け毛が少ない》
被毛は粗く、密生していますが抜けにくいです。毛玉防止のため定期的なトリミングが必要になります。
ミニチュア・シュナウザーは、JKC(ジャパンケネルクラブ)の分類では「使役犬グループ」に入っていますが、アメリカやカナダでは「テリアグループ」に分類されています。ときどき、「ミニチュア・シュナウザーもテリアでは?」という声が聞かれるのは、そのためでしょう。
ちなみに名前にテリアが入っていないのに、このグループに所属しているのは、ミニチュア・シュナウザーだけです。
テリア系によく似た容姿を持つミニチュア・シュナウザーは、犬種の分類から見てもほかに例がない珍しい犬なのです。モフモフとした愛嬌のあるミニチュア・シュナウザーは、これからもその明るい性格で人々の心を癒してくれるでしょう。
お話を伺った先生/藤原尚太郎先生(動物ジャーナリスト)
参考/「いぬのきもち」2021年10月号『犬種のこともっと知りたい! FILE#05 ミニチュア・シュナウザー』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で「ミニチュア・シュナウザー」として投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※犬の体格や性格には個体差があります。