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17才のシニア犬・ダップを見て思う、犬と人の年の取り方|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.123
前回、17才になった西川先生のパートナー・ドッグ、ダップくんの体調の変化についてお伝えしました。老いが進み、昨年末からは笑顔が見られなくなってしまったそう。本格的に衰えが見られ始めた約2年前からの、ダップくんの変化を綴ります(編集部)。
今やスマホで画質のいい写真がホイホイ撮れる。
データには日付や位置情報も入っているので、時系列的にその写真を確認することも可能。
とはいえ高画質で写真が撮影できるスマホが今のように普及したのはここ10年ぐらいの話です。それ以前はデジカメの時代でした。
デジカメデータはSDカードなどに収められていて、そのカードは今や散在。デジカメ当時の写真を時系列的に確認することはそう簡単ではありません。
さて、パートナー・ドッグのダップの写真が時系列的に、それも日を追って確認できるのは、ダップが語るという体裁のブログ「Daplog」をスタートさせた、2009年からです。
スタート当初はデジカメの時代でしたが、このブログの存在のおかげで、ダップの日々は3才10ヵ月ごろから現在に至るまで時系列的に確認できます。
現在17才。衰えの、その進み方もブログで見ることができる。ダップの衰えの進行が急にギアアップした、そう感じられるのは2年ほど前です。
まずは、足腰が……。
ちょっとした段差のジャンプアップに失敗
それまで簡単にジャンプアップしていた車道と歩道の段差。その段差に左前肢をぶつけてしまった(数日は左前肢を地面に下ろすことができませんでした)。
思い起こせばその前後からでしょうか、なんか左後肢をカクカクさせて歩くようにもなったのも。
左前肢はその後数日で回復したのですが、以降家の玄関のわずか3段の階段すら登らなくなってしまいました。
走り回って遊ぶ姿も見られなくなっていきました。
歩く速度もどんどん遅くなっていきました。
昨年の11月ころからは、鉄三郎(通称・鉄)に引っ張られる感じで歩くように。
そして今年1月の4泊の入院で立ち上がれないぐらいにまで、足腰が弱くなってしまった(もっとも退院後は若干回復していて、現在は歩くことができています)。
笑顔が見られなくなってきた
しっぽが上がることもなくなっていきました。
この頃から調子が悪かったのかもしれません。
体が思うように動かない、体のどこかが痛い、だるい、人間だって鬱な気分になってしまいます。
いわゆる認知症的な何かも少し出てきたのかもしれません。
すでに亡くなりましたが、私の母がそうでした。脳梗塞になりその後認知症が進むにつれ、表情が乏しくなり笑顔が消えていきました。そうしたことがダップにも起きている(いた?)のかもしれません。
トイレまで間に合わない
設計のコンセプトは、亡くなったパートナー・ドッグのプーと猫のちび子にも快適な「ペット共生住宅」(設計段階ではダップはいませんでした)。
プーは庭に出ることも好きだったので、庭とリビングを行き来できるドッグドアを設置しました。庭から足を拭かずにリビングに直接、というのも困るので、リビングの一角にペットコーナーを作りました。
庭とペットコーナーはドッグドアを介して自由に行き来でき、ペットコーナーとリビングはゲートで仕切られている。
プーは雨の日以外は、庭で排泄をしていました。雨の日は庭に出さないので、ペットルームにはトイレスペースを設けました。
リビング側にベッド、ベッドからトイレまでは1.5m程度離れている。
その仕様はプー亡き後も変わらずダップが引き継いでいるわけですが、今年に入ってから、その1.5m先のトイレまで間に合わない、そんなことが増えてきました。
足腰が衰える、表情が乏しくなる、排泄がコントロールできなくなる。
以上3点、人間の老いとなんら変わりがない。
犬に教えられることはたくさんありますが、年をとるということとはどういうことかということを、今ダップは私に教えてくれているのかもしれません。
はてさてこの先どうなるか。
とにもかくにも「がんばれ! おじいちゃん!!」なのです。
西川文二氏 プロフィール
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