人間と生活を共にしてきた犬
犬は古来より、人間のパートナーとして生活を共にしてきました。そのため、人と犬にまつわることわざが多く存在します。なかには、実際に犬が取る行動とは違うことが格言になっていたり、人間に都合のいいように解釈していたりと、現代的な視点とのギャップを楽しむこともできます。いったい昔の人は、犬についてどう思っていたのでしょうか。それでは、犬に関することわざを見てみましょう。
「いぬに論語」
ことわざの意味
人の言葉を理解できない犬に論語のような難しい書物を読み聞かせても、犬はありがたみが分からない。つまり、どんなに良い教えであっても「理解できない者には何を言っても無駄」という揶揄で使われます。
実際には?
犬は人間と違う動物。人間語が分からなくて当然です。しかし、犬は人の言うことを一生懸命聞き、理解しようとしている節があります。最新研究結果では犬と言葉によるコミュニケーションは可能と証明されており、人の仕草や声の高さ、言葉の鋭さから、ある程度の「人間語」は学習していると言われております。
犬にしたらなんとも失礼な話ですよね(´_`)
「いぬは三日飼えば三年恩を忘れず」
ことわざの意味
動物の犬でも、3日間お世話をしてくれた飼い主さんのことを3年間は忘れない、それに比べてアナタはどうなんだ!といったシーンで使われます。また「ねこは三年の恩を三日で忘れる」という続きもあり、犬の記憶力の高さを表した言葉として、「勉学に励め」と子どもを諭すことに用いられる言葉でもあるようです。
実際には?
飼い主さんと3年以上離れていても、犬はお世話をしてくれた飼い主さんを覚えていることが多いでしょう。感謝の気持ちや恩義として覚えているというよりは、信頼できるパートナーとして忘れることが無いのかもしれません。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」
ことわざの意味
何でも食べる犬でも、夫婦喧嘩のようなつまらないものには寄り付かない。男女の仲は当事者しか分からないことが多いのだから、「仲裁に入ったり関わったりしないほうがよい」といった意味で使われます。
実際には?
家族内の喧嘩や親に子が叱られている場面では、犬が仲裁に入ることがよくあります。こういった場合、犬が「守らなきゃ!」と思ったほうの味方につくことが多く、年下の者や子どもに加勢するシーンをよく見かけます。しかし、飼い主の喧嘩は犬にはストレス要因になります。なるべく犬の前での喧嘩は控えましょうね。
「飼い犬に手を噛まれる」
ことわざの意味
日頃から可愛がってきた部下や、世話をしてきた人に裏切られて、とんでもない被害を受けることを意味します。
実際には?
「愛犬が飼い犬を噛む」ということは、滅多に起こらないはず。そんな中でも、噛む行動に出たということは、びっくりしたり驚いたりしたときの反射行動や、ストレスがたまった結果かもしれません。噛み癖がある犬は、噛んではいけないのだとしっかりしつけてあげましょうね。
今も昔も、犬は人間の良きパートナーとして共に歩んできました。愛犬とのふれ合いは生活の一部ですし、愛犬は家族の一員という気持ちは、いつの時代も変わらないようですね。これからも変わらず、お互いに信頼関係を築いていきましょう!
出典/「いぬのきもち」18年1月号『いぬにまつわることわざ・格言カルタ』(監修:今泉忠明先生 北村孝一先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。