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犬と車酔い【穴澤賢の犬のはなし】

犬と車酔い

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犬がある程度の大きさになってくると、いっしょに出かけるときには車が必須になってくる。しかし、車酔いする犬は多い。犬は遠心力や慣性の法則を理解できないから、わけもわからず体が揺れると気持ちが悪くなるのだろう。わが家の歴代犬もだいたい最初は車に酔った。
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富士丸は大型犬だったので、かついで電車に乗せるわけにもいかず、基本的に移動はすべて車だった。1才になる前からキャンプなどに出かけていたのだが、最初はとにかく車酔いがひどかった。車に乗せるとすぐにヨダレがたくさん出てきて、しばらく走ると必ず吐く。
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一度吐くと少し落ち着くのだが、一般道がとくに苦手なようで、高速道路に乗ってしまえばあまり酔わないようだった。おそらく、高速道路は曲がったりブレーキを踏んだりすることが少ないためだろう。だから、一般道を走るときもスピードをあまり出さず、曲がるときも極力なめらかに、ブレーキもゆるやかにかけるような習慣がついてしまい、結果的に超安全運転になった。
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それでも富士丸はしばらくの間車酔いをしていた。それが3才くらいから気がついたら車に乗ってもヨダレを垂らさなくなり、吐くこともなくなった。犬用の酔い止め薬を飲ませる、窓を少し開ける、こまめに休憩をとるなど、巷でいわれているような対処法はひととおり試したが、結果的には「慣れ」が一番大きかったように思う。さんざん遊びに行っているうちに、どうやら車に乗ることが平気になったようだった。
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このように車酔いする犬は多いのではないだろうか。福助も富士丸とまったく同じで、車に乗せるとヨダレを垂らし、だいたい15分走ると吐く。吐く前は「グゥ、グゥ」という前兆が必ずあるので、口の前にバケツを持っていくという対処法をとっている(たまに失敗するが)。実際には私が運転していて、後ろに乗った嫁がその役割をするのだが、ひとりで運転しているとかなり困る。予兆があっても急に停められないので、ゲロキャッチは諦める。が、そのままにしておくと福助がゲロまみれになるので、停められる場所を見つけては後部座席を掃除しなくてはならない。
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富士丸のとき同様、いろいろ対処法は試しているが、今のところコレというものはない。結局は慣れてもらうしかないので、なるべく短い距離を車で移動して訓練をしている(車酔いするからと出かけるのを控えているといつまでたっても慣れないので)。今は辛いかもしれないが、将来いっしょにたくさん遊びに行くための試練だと思って、福助には頑張ってもらうしかない。
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犬本人はもちろん、飼い主にとってもこうした苦労はつきものなのかもしれない。これまでに車酔いする犬の話はたくさん聞いてきた。ただ、まったく車に酔わない犬がいる。
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それが大吉で、引き取ると決めて連れて帰る車の中から爆睡していた。それ以降も何度も車に乗せているが、いまだかつて酔ったそぶりを見せたことは一度もない。車には進んで飛び乗るし、乗ったら乗ったで目をキラキラさせている。そして、隣で車酔いで気持ち悪そうな福助を見て「なんで?」みたいな顔をしている。遠心力などの体にかかる負荷を、こいつの脳はどう処理しているのだろうと疑問に思う。
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